学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ25A065

理由で解く 柔道整復師

QJ25A065 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問65
問題
1秒率を求める式はどれか。
選択肢
1 1秒量 ÷ 全肺気量 × 100(%)
2 1秒量 ÷ 1回換気量 × 100(%)
3 1秒量 ÷ 努力肺活量 × 100(%)
4 1秒量 ÷ 肺胞換気量 × 100(%)
解答
正解3(1秒量 ÷ 努力肺活量 × 100(%))
解説

1秒率は、最大に吸ってから一気に吐き出させたときの全量(努力肺活量)に対して、最初の1秒間で吐けた量(1秒量)が何%かを表す指標です。式は3が該当します。

1秒率=1秒量(FEV1.0)÷努力肺活量(FVC)×100で、基準は70%以上とされます。70%未満になるのは、気道が狭くて息を「吐き出しにくい」状態、すなわち閉塞性換気障害(気管支喘息、COPDなど)です。もう一つの代表的指標である%肺活量は、実測肺活量÷予測肺活量×100で、80%未満なら肺が「膨らみにくい」拘束性換気障害(肺線維症、胸郭変形、重症筋無力症などによる呼吸筋力低下)を示します。両方が基準を外れれば混合性です。この2つは分母がまったく違うので、「吐きにくさは努力肺活量が分母」「膨らみにくさは予測値が分母」と対で覚えると取り違えを防げます。

✓ 3. 正しい
1秒量 ÷ 努力肺活量 × 100(%)
努力呼出で吐き出せた総量に対する最初の1秒間の割合であり、気道の通りやすさを反映します。気道が狭くなると吐き出しに時間がかかるため、総量(分母)が保たれていても最初の1秒で吐ける量が減り、1秒率が下がります。
✗ 1. 誤り
1秒量 ÷ 全肺気量 × 100(%)
全肺気量は肺活量に残気量を加えた量です。残気量はどれだけ吐いても肺に残るぶんでスパイロメータでは測定できず(ガス希釈法や体プレチスモグラフが必要)、1秒率の定義にも用いません。
✗ 2. 誤り
1秒量 ÷ 1回換気量 × 100(%)
1回換気量は安静呼吸1回ぶんの出入り(成人で約500 mL)で、努力呼出とは条件が違います。健常者では1秒量のほうがはるかに大きく、この計算では100%を超えてしまい指標として成立しません。
✗ 4. 誤り
1秒量 ÷ 肺胞換気量 × 100(%)
肺胞換気量は(1回換気量−死腔量)×呼吸数で求める「1分あたりの量」で、ガス交換に実際に役立つ換気量を示します。単位が量/分であり、量である1秒量とは次元が合いません。
ポイント
  • 1秒率=1秒量÷努力肺活量×100。基準は70%以上。
  • 70%未満は閉塞性換気障害(気管支喘息、COPD)。息が吐きにくい。
  • %肺活量=実測肺活量÷予測肺活量×100。80%未満は拘束性換気障害。肺が膨らみにくい。
  • 全肺気量=肺活量+残気量。残気量・機能的残気量・全肺気量はスパイロメータで直接測れない。
  • 1回換気量は約500 mL、解剖学的死腔は約150 mL。肺胞換気量=(500−150)×呼吸数で、換気の「効率」を見る値。
比較表
項目1秒率(FEV1.0%)%肺活量(%VC)
1秒量÷努力肺活量×100実測肺活量÷予測肺活量×100
基準70%以上80%以上
低下が示す障害閉塞性換気障害拘束性換気障害
障害の性質息を吐き出しにくい(気道が狭い)肺が膨らみにくい(コンプライアンス低下、呼吸筋力低下)
代表疾患気管支喘息、COPD(肺気腫・慢性気管支炎)肺線維症、胸郭変形、神経筋疾患
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