学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §7 体温とその調節 / QJ24A071

理由で解く 柔道整復師

QJ24A071 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問71
問題
精神性発汗が最も顕著にみられる身体部位はどれか。
選択肢
1 顔面
2 手掌
3 前胸部
4 臀部
解答
正解2(手掌)
解説

緊張や不安で生じる精神性発汗は、手掌・足底・腋窩に強く現れます。なかでも手掌は代表的な部位です。

発汗は3種類に分けて整理します。体温上昇に応じて全身から起こる温熱性発汗、精神的な緊張や情動によって起こる精神性発汗、酸味や辛味の刺激で顔面に起こる味覚性発汗です。温熱性発汗は視床下部の体温調節中枢が司令塔で、体表からの気化熱で体温を下げる目的をもちます。これに対し精神性発汗は大脳皮質や大脳辺縁系からの入力で起こり、体温調節とは無関係です。刺激後わずか数秒で始まり、刺激が去ると速やかに止まるのが特徴です。手掌・足底が濡れると摩擦が増して物をつかみやすくなるため、危険に対処するうえで有利だったと考えられています。手掌と足底は温熱性発汗がほとんど起こらない一方、精神性発汗が最も顕著という対比で覚えると確実です。

✓ 2. 正しい
手掌
手掌は足底・腋窩とともに精神性発汗の代表部位です。緊張したときに手に汗をかく体験そのもので、逆に温熱性発汗はほとんど起こりません。
✗ 1. 誤り
顔面
顔面は温熱性発汗が起こり、香辛料などによる味覚性発汗の主な部位でもあります。精神性発汗が最も顕著な部位ではありません。
✗ 3. 誤り
前胸部
体幹は温熱性発汗の主要部位で、体温上昇時に広く汗をかきます。精神性発汗が特に強く出る部位ではありません。
✗ 4. 誤り
臀部
臀部の汗腺密度は高くなく、発汗は主に温熱性です。精神性発汗の代表部位には挙げられません。
ポイント
  • 発汗は温熱性・精神性・味覚性の3種類に分けて覚える。
  • 精神性発汗の部位は手掌・足底・腋窩。体温調節とは無関係。
  • 手掌と足底は温熱性発汗がほとんど起こらないという対比が重要。
  • 味覚性発汗は顔面(辛味・酸味の刺激で起こる)。
  • 汗腺(エクリン腺)は交感神経支配だが、伝達物質はアセチルコリン。
比較表
種類主な部位刺激・中枢目的
温熱性発汗全身(手掌・足底を除く)体温上昇・視床下部体温を下げる
精神性発汗手掌・足底・腋窩緊張・情動・大脳皮質と辺縁系体温調節とは無関係
味覚性発汗顔面(額・鼻・口の周囲)辛味・酸味などの味覚刺激体温調節とは無関係
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