学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §6 栄養と代謝 / QJ25A067

理由で解く 柔道整復師

QJ25A067 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問67
問題
肝細胞が血中グルコースから合成・貯蔵するのはどれか。
選択肢
1 コレステロール
2 グリコーゲン
3 コラーゲン
4 デンプン
解答
正解2(グリコーゲン)
解説

肝細胞は血中のグルコースを取り込み、グリコーゲンとして合成・貯蔵する。空腹になればこれを分解して血糖を保つため、肝は血糖の緩衝装置として働く。

食後、小腸で吸収されたグルコースは門脈を通ってまず肝臓に届く。肝細胞ではグルコキナーゼによってグルコース-6-リン酸となり、UDP-グルコースを経てグリコーゲンに組み上げられる(インスリンが促進)。肝のグリコーゲンは成人で約100g、筋には約250gあるが、骨格筋はグルコース-6-ホスファターゼをもたないため、グリコーゲンを分解してもグルコース-6-リン酸から先へ進めず、自分の収縮に使うだけで直接には血糖にならない。貯蔵したグリコーゲンをグルコースとして血中へ放出できるのは肝である(同酵素は肝のほかに腎の近位尿細管と小腸粘膜にもあり、絶食が長引けばこれらも糖新生でつくったグルコースを血中へ送る)。肝グリコーゲンは絶食12〜18時間ほどで底をつき、その後は糖新生が血糖維持の主役となる。

✓ 2. 正しい
グリコーゲン
グルコースが多数つながった動物の貯蔵多糖で、肝細胞と骨格筋に蓄えられる。肝のものだけが分解されて血糖の維持に使われる。
✗ 1. 誤り
コレステロール
肝はアセチルCoAからコレステロールを合成するが、これは胆汁酸・ステロイドホルモン・細胞膜の材料であり、糖として取り出せる貯蔵形ではない。
✗ 3. 誤り
コラーゲン
アミノ酸(グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンなど)から作られる線維性の蛋白質で、主に線維芽細胞などが産生する細胞外基質である。グルコースからは作られない。
✗ 4. 誤り
デンプン
植物の貯蔵多糖であり、ヒトは合成しない。ヒトにとっての「動物デンプン」に当たるのがグリコーゲンである。
ポイント
  • 肝はグルコースをグリコーゲンとして貯蔵し、空腹時に分解して血糖を保つ。
  • グリコーゲン合成はインスリンが促進、分解はグルカゴン・アドレナリンが促進。
  • 肝グリコーゲン(約100g)は血糖になるが、筋グリコーゲン(約250g)は筋自身が使う。
  • 違いの理由はグルコース-6-ホスファターゼの有無。肝(ほかに腎・小腸)にはあり、骨格筋にはない。
  • 絶食が12〜18時間を超えると糖新生が血糖維持の主役になる。
比較表
肝グリコーゲン筋グリコーゲン
量の目安約100g約250g
グルコース-6-ホスファターゼありなし
血糖への放出できるできない
使いみち全身の血糖維持その筋自身の収縮エネルギー
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