学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ25A029

理由で解く 柔道整復師

QJ25A029 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問29
問題
指骨骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 基節骨骨幹部骨折では背側凸変形がみられる。
2 末節骨骨折より中節骨骨折が多い。
3 末節骨骨折は介達外力によって発生する。
4 掌側板付着部裂離骨折は指の過伸展で発生する。
解答
正解4(掌側板付着部裂離骨折は指の過伸展で発生する。)
解説

正答は4。PIP関節が過伸展を強制されると、掌側板の付着部が中節骨基部から引き剥がされます。

掌側板はPIP関節の掌側にある線維軟骨性の板で、近位は基節骨に膜様に、遠位は中節骨基部に強固に付着し、関節の過伸展を制動しています。突き指などで指が過伸展されるとこの制動が限界を超え、中節骨基部の掌側に小さな裂離骨片を生じます。単なる捻挫として扱われやすい損傷ですが、見逃すと腫脹と可動域制限が長引き、白鳥の首変形につながることもあります。指骨骨折全体では末節骨骨折が最も多く、その多くは挟まれ・打撲・圧挫といった直達外力によるものです。基節骨骨幹部骨折では、近位骨片を骨間筋が屈曲させ、遠位骨片を中央索が伸展位へ引くため、骨折部の角の頂点が掌側を向く掌側凸の角状変形をとります。

✓ 4. 正しい
掌側板付着部裂離骨折は指の過伸展で発生する。
掌側板は関節の過伸展を制動する組織なので、その制動が破れる方向、すなわち過伸展の強制で付着部が裂離します。中節骨基部掌側に圧痛と腫脹があり、過伸展で疼痛が誘発されるのが手がかりです。突き指を捻挫と決めつけず、疼痛が続く例は画像評価につなげます。
✗ 1. 誤り
基節骨骨幹部骨折では背側凸変形がみられる。
変形は掌側凸です。近位骨片は骨間筋に引かれて屈曲し、遠位骨片は中央索に引かれて伸展するため、骨折部の角の頂点が掌側を向きます。変形の向きが逆に書かれています。
✗ 2. 誤り
末節骨骨折より中節骨骨折が多い。
頻度が逆で、指骨骨折の中では末節骨骨折が最も多くみられます。指先は日常でもスポーツでも最も外力にさらされる部位だからです。
✗ 3. 誤り
末節骨骨折は介達外力によって発生する。
末節骨骨折の大半は、ドアや機械への挟まれ・打撲・圧挫といった直達外力によるものです。介達外力で生じるのは骨性槌指(末節骨基部背側の裂離骨折)などに限られるため、「介達外力によって発生する」とまとめるのは適切ではありません。爪下血腫や爪床損傷を伴うことが多く、開放創の扱いに注意します。
ポイント
  • 掌側板付着部裂離骨折=PIP関節の過伸展強制。中節骨基部の掌側に裂離骨片を生じる。
  • 指骨骨折の頻度は末節骨が最多。発生機序は挟まれ・打撲などの直達外力が中心。
  • 基節骨骨幹部骨折は掌側凸(角の頂点が掌側を向く)変形。骨間筋が近位骨片を屈曲、中央索が遠位骨片を伸展させるため。中手骨頸部骨折の背側凸(25|午前28)と対で覚える。
  • 突き指を「ただの捻挫」で終わらせない。PIP掌側の圧痛、過伸展時痛、腫脹の遷延があれば裂離骨折を疑い画像評価へつなぐ。
  • 指の骨折では回旋変形の確認が必須。指を屈曲させ、全指が手根部の一点(舟状骨結節付近)へ向かうかを見る。
比較表
部位・損傷主な発生機序特徴的な所見・変形
末節骨骨折直達外力(挟まれ、打撲、圧挫)指骨骨折で最多。爪下血腫・爪床損傷を伴いやすい
中節骨骨折直達・介達外力骨折線の位置と腱の付着関係で変形の向きが変わる
基節骨骨幹部骨折直達・介達外力掌側凸変形(骨間筋が近位骨片を屈曲、中央索が遠位骨片を伸展。頂点は掌側)
掌側板付着部裂離骨折介達外力(PIP関節の過伸展)中節骨基部掌側の裂離骨片、掌側の圧痛、過伸展時痛
骨性槌指介達外力(指尖への突き=DIPの強制屈曲)末節骨基部背側の裂離、DIP関節の自動伸展不能
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