学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ26A017

理由で解く 柔道整復師

QJ26A017 必修問題

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問17
問題
骨折の癒合に好適な条件はどれか。
選択肢
1 関節内の骨折
2 骨折部の血腫消失
3 骨折部に働く剪力
4 骨折部に働く圧迫力
解答
正解4(骨折部に働く圧迫力)
解説

骨折面を長軸方向に押しつける圧迫力(軸圧)は、骨癒合を促す代表的な好条件です。

骨折の治癒は、骨折部にできた血腫から始まり、器質化して肉芽組織となり、軟性仮骨から硬性仮骨へ、そして骨性癒合・リモデリングへと進みます。この流れを滞りなく進めるには、①十分な血行、②骨折面同士が広く接していること、③その接触を保つ力学的な安定性、の3つがそろう必要があります。骨折面を密着させる圧迫力はこの②③を同時に満たし、さらに骨は加わる力に応じて骨梁を再構築するというウォルフの法則の面からも骨形成を後押しします。逆に、骨折面をずらす剪力、離開させる牽引力、軟部組織の介在、関節液にさらされる環境などは治癒を妨げる要因です。なお部位による差もあり、海綿骨に富む骨幹端部は皮質骨が主体の骨幹部より血行に恵まれ癒合が早い一方、関節内骨折は骨膜に覆われず滑液で血腫が希釈されるため最も癒合しにくい環境です。固定の際は、圧迫が働き剪力が働かない肢位を選ぶことを意識してください。

✓ 4. 正しい
骨折部に働く圧迫力
骨折面を密着させて安定性を高め、加わる力に応じて骨梁が再構築される(ウォルフの法則)ため、癒合を促進します。荷重や筋の緊張が軸圧として働く肢位が好条件となります。
✗ 1. 誤り
関節内の骨折
関節内は骨膜に覆われず、関節液(滑液)が血腫を洗い流して希釈するため、仮骨形成の足場ができにくい環境です。癒合には不利で、偽関節を生じやすい条件にあたります。
✗ 2. 誤り
骨折部の血腫消失
血腫は治癒の出発点で、そこに含まれる血小板やサイトカインが修復細胞を呼び込みます。血腫が失われると治癒の開始そのものが遅れるため、好条件ではありません。
✗ 3. 誤り
骨折部に働く剪力
骨折面を横方向にずらす力で、できかけた仮骨を繰り返し破壊します。遷延癒合・偽関節の主要な原因であり、固定ではこの力をいかに抑えるかが要点になります。
ポイント
  • 癒合の三条件は血行・接触・安定性。圧迫力は接触と安定性を同時に満たす。
  • 骨は加わる力に応じて再構築される(ウォルフの法則)。適度な軸圧は骨形成を促す。
  • 阻害因子は剪力・牽引(離開)・軟部組織の介在・血腫の消失・関節内骨折・感染・栄養不良
  • 関節内骨折は骨膜がなく滑液で血腫が希釈されるため癒合しにくい。裏返せば関節外骨折は骨膜に覆われ癒合に有利
  • 部位差は海綿骨に富む骨幹端部のほうが、皮質骨主体の骨幹部より癒合が早い(向きを逆に覚えない)。
  • 固定は「圧迫が働き剪力が働かない」肢位・方法を選ぶ。
比較表
促進する条件妨げる条件
骨折部に働く圧迫力(軸圧)骨折部に働く剪力・牽引力(離開)
血腫が保たれている血腫の消失、血行不良
骨折面が広く接触している軟部組織の介在、接触面が小さい
関節外骨折(骨膜に覆われている)関節内骨折(骨膜がなく滑液で希釈)
海綿骨に富む骨幹端部皮質骨主体の骨幹部(相対的に遅い)
適切な固定による安定不十分な固定、感染、全身の栄養不良
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