学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ25A028

理由で解く 柔道整復師

QJ25A028 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問28
問題
中手・骨頸部骨折はどれか。
選択肢
1 ベネット(Bennett)骨折
2 ボクサー骨折
3 ローランド(Roland)骨折
4 逆ベネット(Bennett)骨折
解答
正解2(ボクサー骨折)
解説

中手骨頸部骨折の代表がボクサー骨折で、拳で殴打した際に第5(次いで第4)中手骨頸部が折れ、骨頭が掌側に屈曲転位する。

手の骨折は「どの骨の、どこが折れたか」で名前が決まっているので、部位を軸に整理すると混乱しない。母指の中手骨基部に生じる関節内骨折がベネット骨折(脱臼を伴う二骨片型)とローランド骨折(T字・Y字型の粉砕型)、小指の中手骨基部に生じる同型の関節内脱臼骨折が逆ベネット骨折である。これらはいずれも基部=関節内であるのに対し、ボクサー骨折だけが頸部=関節外の骨折という位置づけになる。ボクサー骨折では骨間筋の牽引で骨頭が掌側に傾き、握りこぶしをつくったときに中手骨頭の隆起(ナックル)が消失する。整復は基節骨を握ってMP関節・PIP関節を90度屈曲させ、基節骨を介して骨頭を背側へ押し上げるジャハス法が基本で、固定はMP関節を屈曲位に保つ。回旋転位が残ると指が交差するため、屈曲時に全指が舟状骨結節へ向かうかを必ず確認し、整復位が保てない場合や関節内骨折を疑う場合は医師へ紹介する。

✓ 2. 正しい
ボクサー骨折
拳で硬いものを殴打して生じる第5(または第4)中手骨頸部骨折で、まさに中手骨頸部骨折の別名である。骨頭が掌側へ屈曲転位し、ナックルの消失と手背の腫脹を認める。
✗ 1. 誤り
ベネット(Bennett)骨折
第1中手骨基部の関節内脱臼骨折である。掌尺側の小骨片が前斜靱帯で大菱形骨側に残り、骨幹部は長母指外転筋に引かれて橈背側・近位へ転位する。部位が頸部ではなく基部(関節内)である点が異なる。
✗ 3. 誤り
ローランド(Roland)骨折
同じく第1中手骨基部の関節内骨折だが、骨折線がT字型・Y字型を呈する粉砕型を指す。ベネット骨折より予後不良で観血療法が選ばれやすい。これも基部の骨折であり頸部骨折ではない。
✗ 4. 誤り
逆ベネット(Bennett)骨折
第5中手骨基部の関節内脱臼骨折で、骨幹部が尺側手根伸筋に引かれて近位・背側へ転位する。ベネット骨折と鏡像の関係にあるため「逆」と呼ぶ。骨は第5中手骨だが部位は基部であり、頸部骨折ではない。
ポイント
  • ボクサー骨折=第5(第4)中手骨頸部骨折。骨頭が掌側へ屈曲転位し、ナックルが消失する。
  • ベネット骨折=第1中手骨基部の関節内脱臼骨折。長母指外転筋の牽引で骨幹部が橈背側・近位へ転位。
  • ローランド骨折=第1中手骨基部のT字・Y字型粉砕関節内骨折。ベネットより予後不良。
  • 逆ベネット骨折=第5中手骨基部の関節内脱臼骨折。尺側手根伸筋が転位の原因。
  • 整復はジャハス法(MP・PIP90度屈曲位で基節骨を介して押し上げる)。回旋転位の残存を屈曲時の指の向きで確認する。
比較表
名称部位関節内/外転位を起こす筋・特徴
ボクサー骨折第5(第4)中手骨頸部関節外骨間筋。骨頭が掌側屈曲、ナックル消失
ベネット骨折第1中手骨基部関節内(脱臼骨折)長母指外転筋。掌尺側小骨片が残る
ローランド骨折第1中手骨基部関節内(粉砕)T字・Y字型。予後不良
逆ベネット骨折第5中手骨基部関節内(脱臼骨折)尺側手根伸筋。ベネットの鏡像
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