学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ25A027

理由で解く 柔道整復師

QJ25A027 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問27
問題
外固定の目的で正しいのはどれか。
選択肢
1 関節可動域の確保
2 患部の安静
3 機能の回復
4 筋萎縮の防止
解答
正解2(患部の安静)
解説

外固定の目的は、患部を安静に保って整復位を維持し、組織が修復しやすい環境をつくることである。よって2が正しい。

外固定は、整復した骨片や関節が再び転位しないよう保持し、患部の異常な動きを止めることで疼痛を和らげ、周囲の軟部組織や血腫を安定させて骨癒合・組織修復を進める手段である。範囲は原則として骨折部の上下1関節を含め、整復位を保持できる肢位で、必要最小限の期間・範囲にとどめる。肢位は機能的には良肢位が望ましいが、再転位を防ぐためにあえて非良肢位で固定し、のちに良肢位へ移行することがある(コーレス骨折では前腕回内・手関節軽度掌屈尺屈位、上腕骨外科頸外転型骨折では内転位など)。一方で固定は関節拘縮・筋萎縮・循環障害という不利益を必ず伴う。だからこそ固定中から等尺性収縮運動や非固定関節の自動運動を指導し、固定除去後は関節可動域訓練・筋力訓練・物理療法へつないでいく。つまり可動域の確保、筋萎縮の防止、機能の回復は後療法が担う役割であり、外固定はそこへ渡すための土台をつくる。装着後は末梢の色調・腫脹・しびれ・強まる疼痛を確認し、締めつけ過ぎが疑われれば直ちに緩めて再固定する。

✓ 2. 正しい
患部の安静
患部の動きを止めて安静を保つことが外固定の中心的な目的である。これにより整復位が保持され、再転位が防がれ、疼痛が軽減し、変形治癒を避けて良好な骨癒合が得られる。
✗ 1. 誤り
関節可動域の確保
外固定は関節運動を制限するものであり、可動域はむしろ一時的に犠牲になる。可動域を守るには、固定範囲と期間を必要最小限にし、固定していない関節の自動運動を続け、固定除去後に可動域訓練を行う。
✗ 3. 誤り
機能の回復
外固定が担うのは治癒の場を整えるところまでで、失われた機能を取り戻す働きはない。機能回復は固定によって組織修復が進んだあと、運動療法・物理療法を中心とする後療法で達成される。
✗ 4. 誤り
筋萎縮の防止
固定は筋を使わない状態をつくるため、むしろ廃用性筋萎縮の原因となる。萎縮を最小限にするには、固定中から固定内の等尺性収縮運動と非固定関節の自動運動を指導し、除去後に筋力訓練を進める。
ポイント
  • 外固定の目的は、患部の安静、整復位の保持(再転位の防止)、疼痛の軽減、変形の防止。まとめると「治癒しやすい環境づくり」。
  • 固定は原則として骨折部の上下1関節を含め、整復位を保持できる肢位で、必要最小限の範囲・期間にとどめる。
  • 固定肢位は機能的には良肢位が望ましいが、再転位を防ぐためにあえて非良肢位で固定し、のちに良肢位へ移行することがある(コーレス骨折=前腕回内・手関節軽度掌屈尺屈位、上腕骨外科頸外転型=内転位など)。優先されるのは整復位の保持である。
  • 固定に伴う不利益は関節拘縮・筋萎縮・循環障害。固定中から等尺性収縮運動と非固定関節の自動運動を行う。
  • 可動域の確保・筋萎縮の防止・機能の回復は後療法(運動療法・物理療法)の役割。外固定はその土台をつくる。
  • 装着後は末梢の色調・冷感・腫脹・しびれ・増強する疼痛を確認し、異常があれば直ちに緩めて再固定し、必要に応じて医師へ連携する。
比較表
項目外固定が担うこと後療法が担うこと
ねらい患部の安静・整復位の保持・疼痛の軽減関節可動域の回復・筋力の回復・機能と日常生活動作の回復
肢位整復位を保持できる肢位が最優先(再転位防止のため一時的に非良肢位をとり、のち良肢位へ移行することがある)良肢位・機能肢位を目標に可動域と筋力を戻す
関節可動域一時的に制限される(不利益として管理する)可動域訓練で取り戻す
使わないため廃用性萎縮が起こりうる等尺性収縮から始め筋力訓練で回復させる
時期整復直後から組織修復が進むまで固定中の可能な範囲から開始し、固定除去後に本格化
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