学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ25A026
理由で解く 柔道整復師
顎関節前方脱臼は生理的な滑走運動の延長線上で起こるため、靱帯や関節包の断裂を伴いません。正答は3。
顎関節は大きく開口すると、下顎頭が関節円板とともに下顎窩から関節結節の位置まで前方へ滑走する構造をもち、もともと前方への可動性が大きい関節です。あくび、大笑い、抜歯や気管挿管などの長時間開口、嘔吐といった場面で開口が強制されると、下顎頭が関節結節を越えて前方へ滑り出し、閉口筋の緊張によって戻れなくなります。この経路は正常運動の延長にあるため、外側靱帯をはじめとする靱帯や関節包は断裂しないのが原則です。徒手整復が容易である一方、支持機構が緩めば反復しやすく、習慣性脱臼に移行します。両側脱臼では開口したまま閉口できず、下顎が前方へ突出して流涎や言語障害を伴い、片側脱臼ではオトガイ部が健側へ偏位します。
| 項目 | 正常な大開口 | 前方脱臼 |
|---|---|---|
| 下顎頭の位置 | 関節結節付近まで前方滑走し、閉口で復位する | 関節結節を越えて前方へ移動し、自力で戻らない |
| 靱帯・関節包 | 損傷なし | 断裂を伴わないのが原則(外側靱帯も損傷しない) |
| 咬合 | 閉口可能 | 閉口不能。下顎歯列が上顎歯列より前方へ |
| その他の所見 | — | 両側では流涎・言語障害、片側ではオトガイが健側へ偏位 |
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