学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ24P109
理由で解く 柔道整復師

膝前面の強打による後十字靱帯損傷を疑う場面。背臥位で股関節・膝関節を屈曲させ、側方から両膝の輪郭を比較するのがサギングサイン(後方落ち込み徴候)の評価で、健側と比べて脛骨が後方へずれていないか(=脛骨粗面の位置)をみる。正解は3。
膝を曲げた状態で脛骨前面を強打すると、脛骨が大腿骨に対して後方へ押し込まれ、これを制動する後十字靱帯が損傷する(ダッシュボード損傷と同じ機序)。損傷が残ったまま時間が経つと、背臥位で股関節・膝関節を屈曲させて下腿の自重をかけたときに、損傷側の脛骨近位部だけが後方へ沈み込む。側方から観察すると脛骨粗面の位置が健側より後方(低い位置)となり、これがサギングサイン(後方落ち込み徴候)である。この状態を見落として脛骨を前方に引くと、後方に落ちた位置から戻っているだけなのに「前方引き出しテスト陽性=前十字靱帯損傷」と誤読してしまう。だからこそ、まず落ち込みの有無を健側と比較して確認する順序が重要になる。後十字靱帯損傷は初期症状が軽く、本例のように受傷後しばらくしてから膝後方の痛みや不安定感で来所することがあるため、機転を聞き出して疑いを持つことが鍵となる。
| 前十字靱帯損傷 | 後十字靱帯損傷 | |
|---|---|---|
| 典型的な受傷機転 | 非接触の急停止・方向転換、外反+回旋 | 膝屈曲位での脛骨前面の強打 |
| 特徴的な訴え | 受傷時の断裂音、著明な関節血症、膝崩れ | 初期症状が軽く、慢性期の後方痛・不安定感 |
| 代表的な徒手検査 | ラックマンテスト、前方引き出しテスト、Nテスト | サギングサイン、後方引き出しテスト |
| 脛骨の動く向き | 前方へ移動する | 後方へ落ち込む |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。