学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ24P108
理由で解く 柔道整復師

PIP関節背側の中央索が損傷し、遅れてボタン穴変形(PIP屈曲+DIP過伸展)が現れた例。装具でPIPを伸展位に保ちつつDIP関節の自動屈曲運動を行わせるのは、この損傷に対する標準的な指導である。正解は2。
指伸筋腱はPIP関節背側で中央索(中節骨底に付着)と両側の側索に分かれ、側索は合流して終止腱となり末節骨底に付く。中央索が切れるとPIP関節を伸ばす力が失われ、さらに側索がPIP関節の回転中心より掌側へ滑り落ちるため、側索の張力がPIPを曲げDIPを反らせる方向に働く。こうして生じるのがボタン穴(ボタンホール)変形で、受傷直後は変形がはっきりせず、数日から数週かけて完成することが多い。本例の「症状が軽く練習を継続、2週後に変形に気付いた」という経過はまさに典型である。治療はPIP関節を伸展位に固定して中央索の修復を待ちつつ、DIP関節の自動屈曲運動を行わせ、掌側へずれた側索を背側へ戻し、斜支靱帯の短縮・拘縮を防ぐ。変形が固定化する前に整形外科での評価・治療につなぐことが大切である。
| 損傷部位 | 生じる変形・障害 | DIPの動き | 固定の要点 |
|---|---|---|---|
| 中央索 | ボタン穴変形(PIP屈曲・DIP過伸展) | 自動屈曲は可能で、むしろ運動を促す | PIP伸展位固定+DIP自動屈曲運動 |
| 終止腱 | 槌指(DIP屈曲変形) | 自動伸展ができない | DIP伸展位固定(屈曲運動は行わない) |
| 深指屈筋腱(停止部) | ジャージー指 | 自動屈曲ができない | 手術的修復が原則 |
| PIP関節掌側板 | スワンネック変形(PIP過伸展・DIP屈曲) | おおむね保たれる | PIPの過伸展を制動する固定 |
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