学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ24P106
理由で解く 柔道整復師

重量物を持ち上げた瞬間の断裂音(ブチッという音)を訴える上腕の急性外傷では、上腕二頭筋長頭腱の断裂が最も考えられる。長頭腱が切れると筋腹が遠位(肘側)へ下垂し、肘を自動屈曲させたとき力こぶが健側より末梢に寄って見える(ポパイ徴候)。正解は1。
上腕二頭筋長頭腱は関節上結節から起こり、関節内を通って結節間溝を滑走するという特異な走行のため、摩耗・変性を受けやすい。上腕二頭筋腱断裂の大多数はこの長頭腱に起こり、重量物の挙上など急な収縮が引き金となる。近位で腱が切れると筋腹を上方に吊る支えを失うので、筋腹は遠位(肘側)へ下垂し、肘を屈曲させたときの膨隆が健側より末梢に寄る。これがポパイ徴候で、左右の肘を並べて自動屈曲させ比較すると判定しやすい。短頭が烏口突起で保たれているため肘屈曲力・前腕回外力の低下は比較的軽く、疼痛が落ち着けば日常動作が可能なことも多い。一方、遠位腱(橈骨粗面付着部)の断裂では筋腹が近位へ引き上がる点が決定的に異なる。
| 長頭腱断裂 | 遠位腱断裂 | |
|---|---|---|
| 頻度 | 多い(大多数を占める) | 少ない |
| 筋腹の移動 | 遠位(肘側)へ下垂 | 近位(肩側)へ引き上がる |
| 典型的な外観 | 力こぶが末梢に寄る(ポパイ徴候) | 力こぶが中枢に寄り、肘窩の腱を触知できない |
| 機能障害 | 屈曲・回外力の低下は比較的軽い | 回外力低下が著明 |
| 治療の傾向 | 保存療法が選ばれることが多い | 手術が選択されることが多い |
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