学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ24P093

理由で解く 柔道整復師

QJ24P093 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問93
問題
膝蓋骨外側脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 Q角の減少は発生要因となる。
2 膝の肢位に関係なく脱臼するものを習慣性脱臼という。
3 自然整復されることはまれである。
4 アプリヘンションサインがみられる。
解答
正解4(アプリヘンションサインがみられる。)
解説

膝蓋骨外側脱臼はQ角の増大などを素因として起こり、膝を伸ばすと自然に整復されることが多い。整復後も内側の支持機構が緩んでいるためアプリヘンションサインが陽性となる。正しいのは4。

大腿四頭筋の牽引方向と膝蓋腱の走行がなす角(Q角=上前腸骨棘−膝蓋骨中心−脛骨粗面)が大きいほど、膝蓋骨には外側へ引かれる力が強く働く。Q角増大に加え、外反膝、大腿骨外側顆の低形成、膝蓋骨高位、全身関節弛緩性、内側広筋斜走線維の筋力低下などが発生素因となり、女性や10代に多い。多くは膝屈曲位でのひねり動作で外側へ脱臼するが、膝を伸展させると大腿四頭筋の作用線がまっすぐになり、そのまま自然整復されることが多い。このため来所時にはすでに整復済みで「膝がずれて戻った」という訴えだけのことも珍しくない。しかし内側膝蓋大腿靱帯の損傷や骨軟骨骨折、関節血症を残していることがあるため、経過が軽くみえても医師の画像評価につなぐ。

✓ 4. 正しい
アプリヘンションサインがみられる。
膝伸展位(または軽度屈曲位)で膝蓋骨を外方へ押すと、患者が「また外れそう」という不安感や恐怖を訴えて筋を緊張させ、検査を止めようとする。内側の制動機構が損なわれていることを示す所見で、脱臼が自然整復された後の評価に有用。
✗ 1. 誤り
Q角の減少は発生要因となる。
要因となるのはQ角の増大。Q角が大きいほど大腿四頭筋の収縮時に膝蓋骨を外方へ引く分力が増える。外反膝や骨盤幅の広さがQ角を増大させ、女性に脱臼が多い一因となっている。
✗ 2. 誤り
膝の肢位に関係なく脱臼するものを習慣性脱臼という。
習慣性脱臼は、ある決まった肢位・動作をとると必ず脱臼するものを指す(膝蓋骨では屈曲していく途中の一定角度で決まって外れるなど)。肢位を問わず軽微な外力で繰り返すものは反復性脱臼として区別する。
✗ 3. 誤り
自然整復されることはまれである。
逆に、膝を伸展させると自然整復されることが多い。したがって「外れたが自分で戻った」という訴えを軽く扱わず、膝蓋骨内側縁の圧痛、関節血症、アプリヘンションサインを確認し、初回脱臼では骨軟骨骨折の有無を医師の画像評価で確かめる。
ポイント
  • Q角=上前腸骨棘−膝蓋骨中心−脛骨粗面のなす角。増大が外側脱臼の素因。
  • 素因はまとめて覚える:Q角増大・外反膝・大腿骨外側顆の低形成・膝蓋骨高位・関節弛緩性・内側広筋の機能低下。
  • 膝伸展で自然整復されやすい。来所時に脱臼していなくても損傷は残っている前提で評価する。
  • アプリヘンションサイン=膝蓋骨を外方へ押したときの不安感。内側支持機構破綻のサイン。
  • 習慣性=決まった肢位で必ず外れる/反復性=軽微な外力で繰り返す。定義を区別して覚える。
比較表
用語意味膝蓋骨での例
外傷性脱臼明らかな外力による初回の脱臼着地やひねりで外側へ脱臼
反復性脱臼初回後、軽微な外力で繰り返すスポーツ動作のたびに外れる
習慣性脱臼決まった肢位・動作をとると必ず脱臼する屈曲していく一定の角度で毎回外れる
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