学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §21 臨床実地問題 / QJ24P042
理由で解く 柔道整復師
膀胱炎は「単純性」と「複雑性」に分けられ、複雑性は尿路の基礎疾患を背景に起こる。背景が残る限り抗菌薬で一時的に鎮まっても再燃するため、再発を繰り返すのが最大の特徴である。
単純性膀胱炎は明らかな基礎疾患のない若年〜中年女性に多く、起因菌の7〜8割は大腸菌で、適切な抗菌薬に十分な水分摂取を併せることで数日のうちに軽快する。一方の複雑性膀胱炎は、前立腺肥大症・前立腺癌・尿路結石・尿路腫瘍・神経因性膀胱・尿道カテーテル留置・糖尿病など、尿流の停滞や局所防御能の低下をきたす背景をもつ。本例は75歳男性で前立腺癌の治療中という、複雑性を疑う典型的な状況である。前立腺の病変は膀胱出口の通過障害や残尿を招くことがあり、残尿は細菌の温床になる。また前立腺癌では、放射線治療や手術後の尿道狭窄、尿道カテーテルの留置、治療や全身状態に伴う局所防御能の低下なども背景となりうるため、どの経路が働いているかを個々の症例で確かめる必要がある。起因菌も大腸菌に限らず緑膿菌・腸球菌・クレブシエラ・プロテウスなど多彩で、複数菌感染や薬剤耐性菌も少なくないため、尿培養と薬剤感受性検査に基づく治療と、基礎疾患そのものへの対応が欠かせない。
| 比較項目 | 単純性膀胱炎 | 複雑性膀胱炎 |
|---|---|---|
| 基礎疾患 | なし | あり(前立腺疾患・尿路結石・尿路腫瘍・神経因性膀胱・カテーテル留置・糖尿病など) |
| 好発 | 若年〜中年女性 | 高齢者、とくに男性、カテーテル留置例 |
| 起因菌 | 大腸菌が大半 | 緑膿菌・腸球菌・クレブシエラ・プロテウスなど多彩、混合感染・耐性菌も |
| 経過 | 治療で数日〜1週で軽快 | 遷延しやすく再発を繰り返す |
| 治療の柱 | 抗菌薬(飲水は補助) | 培養に基づく抗菌薬+基礎疾患の是正(残尿の解消・カテーテル管理など)。飲水は補助 |
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