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理由で解く 柔道整復師

QJ33P043 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問43
問題
梅毒で正しいのはどれか。
選択肢
1 扁平コンジローマは口腔周囲に好発する。
2 硬性下疳は無治療でも自然消退する。
3 バラ疹は晩期梅毒の症状である。
4 母親から垂直感染はしない。
解答
正解2(硬性下疳は無治療でも自然消退する。)
解説

第1期梅毒の硬性下疳は、無治療でも数週で自然に消える。ただし治ったのではなく、菌は体内に残って次の病期へ進む。

梅毒は梅毒トレポネーマによる性感染症で、症状が出ては消えながら病期が移り変わるのが特徴である。第1期(感染後約3週)は侵入部位に無痛性の硬い潰瘍(硬性下疳)と無痛性の所属リンパ節腫脹が現れ、数週で自然消退するため見逃されやすい。第2期(約3か月後)は菌が全身に散り、体幹・四肢近位を中心とした淡紅色の梅毒性バラ疹、手掌・足底にも生じる落屑性の丘疹性梅毒疹(梅毒性乾癬)、外陰部・肛門周囲の扁平コンジローマ、梅毒性脱毛などが出る。これも自然に軽快して潜伏期に入り、無治療のまま年余を経て第3期のゴム腫、さらに大動脈瘤や神経梅毒(進行麻痺・脊髄癆)に至ることがある。妊婦から胎盤を介した垂直感染では先天梅毒となる。「症状が消えた=治った」ではないため、疑わしい所見があれば医療機関の受診をすすめる。

✓ 2. 正しい
硬性下疳は無治療でも自然消退する。
第1期の局所病変で、痛みがなく硬い潰瘍として現れ、数週で自然に消える。この「自然に消えるのに治っていない」という性質が診断の遅れと感染拡大を生む。消退後も血液検査(梅毒血清反応)で追跡し、治療は抗菌薬(ペニシリン)で行う。
✗ 1. 誤り
扁平コンジローマは口腔周囲に好発する。
扁平コンジローマは第2期の症状で、外陰部・肛門周囲・大腿内側など湿潤して擦れる部位に好発する。表面に多数の菌を含み感染力が強い。口腔周囲が好発部位というのは誤り。
✗ 3. 誤り
バラ疹は晩期梅毒の症状である。
梅毒性バラ疹は第2期=早期梅毒の症状であり、晩期ではない。バラ疹は体幹および四肢近位を中心に淡紅色の斑が多発し、かゆみに乏しいため見逃されやすい。なお手掌・足底に落屑を伴う病変が出るのは、同じ第2期でもバラ疹とは別の疹型である丘疹性梅毒疹(梅毒性乾癬)で、両者を混同しない。晩期(第3期以降)の症状はゴム腫や心血管・神経病変である。
✗ 4. 誤り
母親から垂直感染はしない。
胎盤を介して胎児に感染し、先天梅毒を起こす。実質性角膜炎・内耳性難聴・ハッチンソン歯のハッチンソン3徴が知られる。妊婦健診で梅毒血清反応が調べられるのはこのためである。
ポイント
  • 第1期:硬性下疳(無痛・硬い潰瘍)+無痛性リンパ節腫脹 → 無治療でも自然消退。
  • 第2期:バラ疹(体幹・四肢近位が好発、かゆみに乏しい)、丘疹性梅毒疹(手掌・足底の落屑性病変=梅毒性乾癬)、扁平コンジローマ(陰部・肛門周囲)、梅毒性脱毛。
  • バラ疹=体幹中心、手掌・足底=丘疹性梅毒疹。好発部位を取り違えない。
  • 第3期以降:ゴム腫、大動脈瘤、神経梅毒(進行麻痺・脊髄癆)。
  • 経胎盤の垂直感染で先天梅毒(ハッチンソン3徴)。
  • 症状の自然消退は治癒を意味しない。疑えば受診をすすめる。
比較表
病期時期の目安主な症状
第1期感染後約3週硬性下疳、無痛性の所属リンパ節腫脹
第2期約3か月後バラ疹(体幹・四肢近位)、丘疹性梅毒疹(手掌・足底の落屑)、扁平コンジローマ、脱毛
第3期数年後ゴム腫、結節性梅毒疹
第4期十数年後大動脈瘤、進行麻痺、脊髄癆
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