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理由で解く 柔道整復師

QJ24P041 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問41
問題
後天性免疫不全症候群(AIDS)で誤っているのはどれか。
選択肢
1 日和見感染症を起こす。
2 母子間感染でも起こりうる。
3 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染症である。
4 悪性腫瘍の合併はまれである。
解答
正解4(悪性腫瘍の合併はまれである。)
解説

AIDSでは悪性腫瘍の合併はまれではない。細胞性免疫が壊れることでカポジ肉腫や悪性リンパ腫などが起こりやすくなり、これらはAIDS指標疾患に含まれる。

HIVはCD4陽性Tリンパ球に感染して破壊し、細胞性免疫を段階的に低下させる。感染初期の急性期症状の後、数年〜十数年の無症候期を経てCD4数が減っていくと、健常者では発症しない病原体による日和見感染症(ニューモシスチス肺炎、食道カンジダ症、サイトメガロウイルス感染症、非結核性抗酸菌症、クリプトコッカス髄膜炎など)や、免疫監視の低下による悪性腫瘍が現れる。これら指標疾患の発症をもってAIDSと診断される。感染経路は性的接触、血液(注射器の共用など)、母子感染(経胎盤・分娩時・母乳)の3つで、日常的な接触では感染しない。抗HIV療法(ART)により長期予後は大きく改善しており、早期の検査と治療導入が要になる。臨床では相手を問わず標準予防策を徹底し、患者の情報を守る姿勢が求められる。

✓ 4. これが答え(誤っている記述)
悪性腫瘍の合併はまれである。
カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性子宮頸癌などが合併しやすく、いずれもAIDS指標疾患に含まれる。まれどころか診断の手がかりとなる。この記述が誤りであり、本問の答え。
✗ 1. 答えではない(正しい記述)
日和見感染症を起こす。
CD4陽性T細胞の減少により細胞性免疫が低下し、ニューモシスチス肺炎やカンジダ症など、健常者では発症しない感染症を起こす。
✗ 2. 答えではない(正しい記述)
母子間感染でも起こりうる。
経胎盤、分娩時、母乳を介した母子感染が起こりうる。妊娠中の検査と抗HIV療法、分娩方法の選択、人工乳への切り替えにより感染率は大きく下げられる。
✗ 3. 答えではない(正しい記述)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染症である。
HIVの感染により細胞性免疫が低下し、指標疾患を発症した状態をAIDSと呼ぶ。
ポイント
  • HIVはCD4陽性Tリンパ球を破壊し、細胞性免疫を低下させる
  • 指標疾患の発症でAIDSと診断。日和見感染症と悪性腫瘍が二本柱
  • 代表的な悪性腫瘍=カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性子宮頸癌
  • 代表的な日和見感染症=ニューモシスチス肺炎、食道カンジダ症、サイトメガロウイルス感染症
  • 感染経路は性的接触・血液・母子感染の3つ。標準予防策の徹底と早期検査・治療が重要
比較表
指標疾患の分類代表例
真菌ニューモシスチス肺炎、食道カンジダ症、クリプトコッカス髄膜炎
ウイルスサイトメガロウイルス感染症、単純ヘルペスウイルス感染症
細菌・抗酸菌非結核性抗酸菌症、活動性結核
原虫トキソプラズマ脳症、クリプトスポリジウム症
悪性腫瘍カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性子宮頸癌
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