学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §19 主要な疾患 神経系疾患 / QJ33P041

理由で解く 柔道整復師

QJ33P041 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問41
問題
デュシェンヌ (Duchenne) 型筋ジストロフィー患者が歩行不能となる年齢はどれか。
選択肢
1 3歳
2 10歳
3 20歳
4 30歳
解答
正解2(10歳)
解説

デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは10歳前後で歩行が困難となり、車椅子を使うようになる。

X染色体上のジストロフィン遺伝子の異常により、筋細胞膜の裏打ち蛋白であるジストロフィンが欠損し、筋線維が壊れ続ける疾患である。X連鎖劣性遺伝のためほぼ男児に発症する。3〜5歳頃に転びやすさ、動揺性歩行、階段が上れないなどで気づかれ、床から立ち上がるときに自分の膝や大腿に手をついてよじ登るように起き上がる登攀性起立(ガワーズ徴候)、腓腹筋の仮性肥大が特徴となる。骨盤帯・体幹の近位筋から筋力低下が進み、10歳前後で歩行不能となる。以後は側弯や関節拘縮が進み、20歳前後には呼吸筋障害や心筋症が問題となる。近年はステロイド治療や呼吸・循環管理の進歩で歩行可能期間や生命予後が延びており、年齢はおおよその目安として押さえる。

✗ 1. 誤り
3歳
この時期は転びやすさや動揺性歩行など歩行の異常に気づかれ始める頃であり、まだ歩行は可能である。
✓ 2. 正しい
10歳
近位筋の筋力低下が進み、おおむね10〜12歳頃に歩行不能となり車椅子を使用するようになる。関節拘縮や側弯の予防のため、この時期の姿勢管理とリハビリテーションが重要になる。
✗ 3. 誤り
20歳
歩行不能となる年齢としては遅い。20歳前後は呼吸筋の障害や心筋症が顕在化し、呼吸管理が必要になってくる時期にあたる。
✗ 4. 誤り
30歳
かつては20歳前後が生命予後の目安とされていたが、人工呼吸管理などの進歩により30歳代以降まで生存する例が増えている。歩行不能となる年齢としては合わない。
ポイント
  • デュシェンヌ型筋ジストロフィーはX連鎖劣性遺伝でジストロフィンが欠損。ほぼ男児に発症。
  • 3〜5歳で発症に気づかれ、10歳前後で歩行不能、20歳前後に呼吸筋障害・心筋症。
  • 特徴的所見は登攀性起立(ガワーズ徴候)と腓腹筋の仮性肥大。血清CK著明高値。
  • 筋力低下は骨盤帯・体幹などの近位筋から始まる。
  • 関節拘縮・側弯の予防を意識した姿勢管理を行い、呼吸・循環の管理は医療機関と連携する。
比較表
年齢の目安経過
3〜5歳転びやすい、動揺性歩行、登攀性起立、腓腹筋の仮性肥大で気づかれる
6〜9歳近位筋の筋力低下が進み、階段昇降や走行が困難
10歳前後歩行不能となり車椅子を使用
10歳代後半〜20歳前後側弯・関節拘縮、呼吸筋障害と心筋症が顕在化
20歳代以降呼吸管理・心不全治療。近年は生存期間が延びている
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