学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §2 リハビリテーション医学の対象 / QJ24P012

理由で解く 柔道整復師

QJ24P012 リハビリテーション医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問12
問題
国際生活機能分類(ICF)の構成要素でないのはどれか。
選択肢
1 心身機能と身体構造
2 活動
3 参加
4 社会的不利
解答
正解4(社会的不利)
解説

ICF(国際生活機能分類)は「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つの生活機能に、背景因子(環境因子・個人因子)と健康状態を組み合わせたものです。「社会的不利」は旧分類ICIDHの用語で、ICFにはありません。

1980年のICIDH(国際障害分類)は、疾病→機能・形態障害→能力低下→社会的不利という一方向の流れで、障害のマイナス面だけをとらえるモデルでした。2001年のICFはこれを組み替え、同じ3つの層を中立的でプラスも表せる言葉に置き換えました(機能・形態障害→心身機能・身体構造、能力低下→活動、社会的不利→参加)。さらに、車いすで入れる建物か・家族の支えがあるかといった環境因子と、年齢・性別・価値観などの個人因子を正式な構成要素として加え、各要素が矢印で相互に影響し合う相互作用モデルにしたことが最大の改訂点です。したがって「社会的不利」という言い方はICFには残っておらず、対応するのは「参加」、そのマイナス面は「参加制約」と呼びます。

✗ 1. ICFの構成要素(答えではない)
心身機能と身体構造
生活機能の最も基本の層です。関節可動域や筋力、意識・言語などの働き(心身機能)と、四肢や臓器という体のつくり(身体構造)を指します。マイナス面は「機能障害(構造障害を含む)」。
✗ 2. ICFの構成要素(答えではない)
活動
個人が課題や行為を実行することで、歩行・食事・更衣といった動作レベルの話です。ICIDHの「能力低下」に対応し、マイナス面は「活動制限」。
✗ 3. ICFの構成要素(答えではない)
参加
生活・人生場面へのかかわりで、就労・就学・家庭内の役割・地域活動などを指します。ICIDHの「社会的不利」に対応し、マイナス面は「参加制約」。
✓ 4. ICFの構成要素ではない(これが答え)
社会的不利
ICIDHで使われたhandicapの訳語で、ICFでは用いません。ICFではこの層を「参加」と呼び、困難がある状態を「参加制約」と表現します。用語が置き換わったことを問う定番の出題です。
ポイント
  • ICFの構成要素は心身機能・身体構造/活動/参加(生活機能)+環境因子・個人因子(背景因子)、これに健康状態が加わる。
  • 「社会的不利」「能力低下」「機能・形態障害」はいずれもICIDHの用語。ICFの選択肢に混ざっていたらそれが答え。
  • ICFの改訂点は①中立的な用語、②背景因子(特に環境因子)の追加、③一方向でなく相互作用モデル。
  • マイナス面の呼び方=機能障害/活動制限/参加制約。3点セットで覚える。
比較表
レベルICIDH(1980)ICF(2001)ICFでのマイナス面
臓器・器官機能・形態障害(impairment)心身機能・身体構造機能障害・構造障害
個人(動作)能力低下(disability)活動活動制限
社会(役割)社会的不利(handicap)参加参加制約
背景規定なし環境因子・個人因子環境因子は促進因子にも阻害因子にもなる
モデル一方向・マイナス面中心相互作用・中立的表現
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