学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §2 リハビリテーション医学の対象 / QJ24P013

理由で解く 柔道整復師

QJ24P013 リハビリテーション医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問13
問題
国際障害分類(ICIDH)で能力低下にあたるのはどれか。
選択肢
1 職場に戻ることができない。
2 学校に戻ることができない。
3 スポーツ観戦に行くことができない。
4 箸を使った食事ができない。
解答
正解4(箸を使った食事ができない。)
解説

ICIDHの「能力低下(disability)」は、その人個人が日常の動作をできなくなる段階を指します。箸を使った食事ができないのは動作レベルの問題で、能力低下にあたります。

ICIDHは障害を3つの層で整理しました。機能・形態障害は臓器・器官のレベルで、片麻痺・関節可動域制限・失語・四肢切断などが該当します。能力低下は個人のレベルで、食事・更衣・整容・移動といったADL(日常生活動作)が実行できない状態です。社会的不利は社会のレベルで、復職・復学・地域活動への参加など、その人が担うはずの社会的役割が果たせない状態を指します。見分けの決め手は「誰のどのレベルの話か」です。体の部品の話なら機能・形態障害、その人ができるかどうかの動作の話なら能力低下、社会の中での役割の話なら社会的不利、と3段階で降りていくと迷いません。本問は、社会的役割にかかわる文が3つ並ぶ中に動作レベルの文が1つ混ざっている構成です。

✗ 1. 誤り
職場に戻ることができない。
就労という社会的役割が果たせない状態なので、能力低下ではなく社会的不利です。ICFでいえば「参加制約」にあたります。
✗ 2. 誤り
学校に戻ることができない。
就学という社会的役割の問題で、社会的不利です。学ぶ場に戻れないことは、教育的リハビリテーションが関わる領域でもあります。
✗ 3. 誤り
スポーツ観戦に行くことができない。
余暇活動・社会参加の制限であり、社会的不利です。移動手段や会場の環境など、周囲の条件にも左右される点が社会レベルらしさを示しています。
✓ 4. 正しい
箸を使った食事ができない。
食事という日常生活動作を本人が実行できない状態で、個人レベルの能力低下です。背景に手指の巧緻運動障害や麻痺(機能・形態障害)があり、その結果として動作が成立しない、という段階の下がり方でとらえます。
ポイント
  • ICIDHの3層=機能・形態障害(臓器)→能力低下(個人の動作)→社会的不利(社会的役割)
  • 能力低下の代表例は食事・更衣・整容・排泄・入浴・移動といったADLが行えないこと。
  • 「復職・復学・地域活動・余暇」といった語が出たら社会的不利(ICFでは参加制約)。
  • ICFに読み替えると、機能・形態障害=機能障害、能力低下=活動制限、社会的不利=参加制約。
  • 1つの症例で3層は同時に存在する。問われているのがどの層かを設問文で確認する。
比較表
レベルICIDHの用語具体例
臓器・器官機能・形態障害片麻痺、関節可動域制限、筋力低下、失語、四肢切断
個人(動作)能力低下箸で食事ができない、歩けない、服を着られない、入浴できない
社会(役割)社会的不利職場に戻れない、学校に戻れない、観戦や旅行に行けない
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