学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §2 リハビリテーション医学の対象 / QJ25P013

理由で解く 柔道整復師

QJ25P013 リハビリテーション医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問13
問題
国際生活機能分類(ICF)での活動はどれか。
選択肢
1 書字困難
2 事務職就職困難
3 上肢麻痺
4 巧緻障害
解答
正解1(書字困難)
解説

ICFの「活動」は、その人が実際に行う課題や行為の遂行レベルを指します。書字という具体的な行為の困難は、この活動に当たります。

ICF(国際生活機能分類、2001年WHO採択)は人の生活機能を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つのレベルでとらえ、これに「環境因子」「個人因子」を加えて相互に影響し合うものとして理解する枠組みです。旧ICIDH(機能障害→能力低下→社会的不利)の一方向的でマイナス面中心の分類を、中立的な用語と双方向の矢印に改めた点が大きな違いです。見分け方はシンプルで、体のはたらきやパーツの話(麻痺、筋力低下、巧緻性の低下)なら心身機能・身体構造、生活の中の動作単位(書く、歩く、食べる、着替える)なら活動、社会的な役割やかかわり(就労、就学、地域活動)なら参加、と振り分けます。同じ人の状態でも、どの層の話をしているかで支援の手立てが変わるため、この整理が臨床上の意味を持ちます。

✓ 1. 正しい
書字困難
「書く」は生活の中で本人が遂行する具体的な課題・行為であり、活動のレベルに分類されます。活動の制限(activity limitation)に相当します。
✗ 2. 誤り
事務職就職困難
就労は生活・社会へのかかわりであり、参加のレベルです。就職が困難な状態は参加制約(participation restriction)に当たります。
✗ 3. 誤り
上肢麻痺
神経・筋のはたらきの障害そのものであり、心身機能・身体構造のレベル(機能障害)です。
✗ 4. 誤り
巧緻障害
細かい動きを行う能力そのものの低下を指すため、心身機能のレベルに分類されます。これが生活場面に現れた結果が「書字困難」という活動の制限です。
ポイント
  • ICFは生活機能を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3レベルでとらえ、環境因子・個人因子を加えて相互作用として理解する。
  • 体のはたらきの話=心身機能、生活動作の話=活動、社会的役割の話=参加、と振り分ける。
  • それぞれのマイナス面は、機能障害・活動制限・参加制約と呼ぶ。
  • 旧ICIDHの機能障害/能力低下/社会的不利に対応するが、ICFは中立的表現で双方向的。
  • 本問は「巧緻障害(心身機能)→書字困難(活動)→事務職就職困難(参加)」という連鎖として読める。
比較表
ICFの区分意味旧ICIDHの対応本問の選択肢
心身機能・身体構造体のはたらきと構造機能障害上肢麻痺/巧緻障害
活動個人が行う課題・行為の遂行能力低下書字困難
参加生活・社会へのかかわり社会的不利事務職就職困難
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