学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §1 運動学総論 / QJ24A086

理由で解く 柔道整復師

QJ24A086 運動学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問86
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 てこは棒が軸の回りを回転できる状態である。
2 第1のてこは力のてこである。
3 第2のてこは運動のてこである。
4 第3のてこは安定のてこである。
解答
正解1(てこは棒が軸の回りを回転できる状態である。)
解説

てこ(レバー)とは、剛体である棒が支点(軸)のまわりを回転できるようになった仕組みそのものを指します。したがって正答は1です。

てこは支点・力点・作用点(抵抗点)の3点で成り立ち、この3点のうち「どれが真ん中にあるか」だけで第1〜第3に分類します。支点が中間にあるのが第1のてこで、力と抵抗が支点をはさんで釣り合うため安定(バランス)のてこと呼ばれます。抵抗点が中間にあるのが第2のてこで、力のうで(支点から力点までの距離)が抵抗のうでより必ず長くなるため、小さい力で大きな抵抗を動かせる力のてこです。力点が中間にあるのが第3のてこで、力のうでが短く力の面では不利ですが、筋がわずかに短縮するだけで作用点を大きく速く動かせるため運動(速さ)のてこと呼ばれます。人体では筋の停止部が関節(支点)のすぐ近くにあることが多く、関節運動の大部分は第3のてこです。分類名を丸暗記せず、「真ん中にある点は何か」→「その配置だと力と速さのどちらが得か」の順に考えると取り違えません。

✓ 1. 正しい
てこは棒が軸の回りを回転できる状態である。
てこの定義そのものです。剛体である棒が固定された軸(支点)のまわりに回転できる状態を「てこ」といい、その回転のしやすさを力のモーメント(力×支点からの距離)で扱っていきます。
✗ 2. 誤り
第1のてこは力のてこである。
第1のてこは支点が中間にあるてこで、安定(バランス)のてこと呼ばれます。力のてこは第2のてこです。環椎後頭関節で頭部を支える仕組みや、上腕三頭筋による肘関節の伸展が第1のてこにあたります。
✗ 3. 誤り
第2のてこは運動のてこである。
第2のてこは抵抗点が中間にあるてこで、力のてこと呼ばれます。運動のてこは第3のてこです。第2のてこでは力のうでが抵抗のうでより必ず長くなるので、小さい力で大きな抵抗を動かせます(例:つま先立ちのときの足関節底屈)。
✗ 4. 誤り
第3のてこは安定のてこである。
第3のてこは力点が中間にあるてこで、運動(速さ)のてこと呼ばれます。安定のてこは第1のてこです。上腕二頭筋による肘関節屈曲がその代表で、人体で最も多くみられる型です。
ポイント
  • てこ=剛体の棒が軸(支点)のまわりを回転できる仕組み。支点・力点・作用点(抵抗点)の3点で考える。
  • 真ん中にある点で番号が決まる。支点が中間=第1、抵抗点が中間=第2、力点が中間=第3。「支・荷・力」の順で1・2・3と覚える。
  • 第1=安定(バランス)のてこ、第2=力のてこ、第3=運動(速さ)のてこ。
  • 第2は力のうで>抵抗のうでで必ず力に有利。第3は力のうで<抵抗のうでで力には不利だが、速く大きく動かせる。
  • 人体の関節運動の多くは第3のてこ。筋の停止部が関節に近いため、大きな筋力を出しながら四肢の末端を速く動かしている。
比較表
種類中間にある点別名力のうでと抵抗のうで人体の例
第1のてこ支点安定(バランス)のてこ配置によりどちらもあり得る環椎後頭関節での頭部支持、上腕三頭筋による肘伸展
第2のてこ作用点(抵抗点)力のてこ力のうで>抵抗のうで(力に有利)つま先立ち(足関節底屈)
第3のてこ力点運動(速さ)のてこ力のうで<抵抗のうで(速さに有利)上腕二頭筋による肘屈曲(人体で最多)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。