学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §14 感覚の生理 / QJ34A088

理由で解く 柔道整復師

QJ34A088 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問88
問題
視床を経由しない感覚情報はどれか。
選択肢
1 嗅覚
2 視覚
3 聴覚
4 味覚
解答
正解1(嗅覚)
解説

視床は感覚情報の中継所だが、嗅覚だけはここを通らずに大脳皮質へ届く。よって嗅覚が正解である。

体性感覚・視覚・聴覚・味覚は、いずれも視床の特定の核でニューロンを乗り換えてから大脳皮質の一次感覚野へ投射する。視覚は外側膝状体、聴覚は内側膝状体、味覚と顔面の体性感覚は後内側腹側核(VPM)、体幹・四肢の体性感覚は後外側腹側核(VPL)が中継核である。これに対し嗅覚は、鼻腔の嗅細胞(嗅神経)が嗅球の僧帽細胞などに連絡し、嗅索を経て梨状皮質や扁桃体・嗅内野といった一次嗅覚野へ直接投射する。系統発生的に古い経路であるため、視床という新しい中継段階を経ないと理解するとよい。においが記憶や情動を強く呼び起こすのは、扁桃体や海馬といった大脳辺縁系に短い経路で入るためである。なお、嗅覚情報が眼窩前頭皮質へ向かう際に視床背内側核を経る経路も知られているが、一次嗅覚野へ至る主経路が視床を介さない点が本問の要点である。

✓ 1. これが答え(視床を経由しない)
嗅覚
嗅細胞 → 嗅球 → 嗅索 → 梨状皮質・扁桃体などの一次嗅覚野へ直接投射し、視床の中継を受けない。感覚の中で唯一の例外として押さえておく。
✗ 2. 答えではない(視床を経由する)
視覚
網膜からの情報は視神経・視索を経て視床の外側膝状体で中継され、視放線を通って後頭葉の一次視覚野に達する。
✗ 3. 答えではない(視床を経由する)
聴覚
蝸牛からの情報は蝸牛神経核、上オリーブ核、下丘を経て視床の内側膝状体で中継され、側頭葉の一次聴覚野に達する。
✗ 4. 答えではない(視床を経由する)
味覚
味覚は顔面神経・舌咽神経・迷走神経を介して延髄の孤束核に入り、視床の後内側腹側核(VPM)で中継されて頭頂葉の味覚野(島・弁蓋部)に達する。
ポイント
  • 視床は感覚の中継所。嗅覚だけが視床を経由せず大脳皮質(一次嗅覚野)へ届く。
  • 視覚=外側膝状体、聴覚=内側膝状体、味覚=後内側腹側核(VPM)、体性感覚=VPL/VPM。
  • 嗅覚路:嗅細胞 → 嗅球 → 嗅索 → 梨状皮質・扁桃体・嗅内野。
  • 嗅覚が情動・記憶と結びつきやすいのは、辺縁系へ短い経路で入るため。
  • 「視床を通らない感覚は?」と問われたら嗅覚、と即答できるようにしておく。
比較表
感覚視床の中継核投射先(一次感覚野)
嗅覚経由しない梨状皮質・扁桃体・嗅内野
視覚外側膝状体後頭葉(鳥距溝周囲)
聴覚内側膝状体側頭葉(横側頭回)
味覚後内側腹側核(VPM)頭頂葉(島・弁蓋部)
体性感覚後外側腹側核(VPL)/VPM中心後回
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