学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §2 運動器の構造と機能 / QJ24A087

理由で解く 柔道整復師

QJ24A087 運動学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問87
問題
膜性骨化で誤っているのはどれか。
選択肢
1 結合組織性の骨化である。
2 間葉細胞が骨芽細胞に変化する。
3 頭蓋冠にみられる。
4 骨の長径成長を行う。
解答
正解4(骨の長径成長を行う。)
解説

骨の長径(長さ)の成長を担うのは骨端軟骨板での軟骨内骨化であり、膜性骨化ではありません。したがって「誤っているもの」として正答は4です。

骨がつくられる様式には2通りあります。ひとつは膜内骨化(膜性骨化・結合組織内骨化)で、間葉(結合組織)の中で未分化間葉細胞が直接骨芽細胞に分化し、類骨を分泌してそこに石灰塩が沈着して骨組織になります。軟骨の段階をはさまないのが最大の特徴で、頭蓋冠(前頭骨・頭頂骨)、顔面の骨、下顎骨、鎖骨の一部がこの様式でつくられ、付加骨(結合組織性骨)と呼ばれます。もうひとつは軟骨内骨化で、いったん硝子軟骨のひな型をつくってから骨に置き換わる様式であり、四肢の長管骨や椎骨などの置換骨がこれにあたります。長管骨では、長さは骨端と骨幹の間にある骨端軟骨板(成長板)での軟骨内骨化によって伸び、太さ(横径)は骨膜の内層から骨質が付け加わることで増します。つまり「長さ=軟骨内骨化、太さ=骨膜側からの付加」と役割が分かれており、ここが本問の分かれ目です。

✓ 4. 正答(誤っている記述)
骨の長径成長を行う。
長径成長を担うのは骨端軟骨板における軟骨内骨化です。膜性骨化に相当する骨膜側からの骨形成が担うのは太さ(横径)の増加であり、長さの成長ではありません。骨端線が閉鎖すると長径成長は止まりますが、骨膜性の骨形成は成人でも骨折の修復などで働き続けます。
✗ 1. 正しい記述(=答えではない)
結合組織性の骨化である。
膜性骨化は結合組織(間葉)の中に軟骨を経ずに直接骨がつくられる様式で、結合組織内骨化・膜内骨化とも呼ばれます。記述として正しく、設問が問う「誤っているもの」ではありません。
✗ 2. 正しい記述(=答えではない)
間葉細胞が骨芽細胞に変化する。
未分化間葉細胞が骨芽細胞へ分化し、類骨を分泌して石灰化することで骨組織が生じます。軟骨細胞の段階を経ないことが軟骨内骨化との違いで、記述は正しい内容です。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
頭蓋冠にみられる。
頭蓋冠の前頭骨・頭頂骨は膜性骨化でつくられる代表的な骨です。骨化が完了していない新生児で大泉門・小泉門が触れるのはこのためで、記述として正しい内容です。
ポイント
  • 骨化は2様式。膜内(膜性)骨化=結合組織の中に直接骨をつくる/軟骨内骨化=軟骨のひな型を経て置き換わる。
  • 膜性骨化でできる骨(付加骨)=頭蓋冠(前頭骨・頭頂骨)、顔面骨、下顎骨、鎖骨の一部。
  • 軟骨内骨化でできる骨(置換骨)=四肢の長管骨、椎骨、骨盤など。
  • 長径成長=骨端軟骨板(成長板)での軟骨内骨化。骨端線の閉鎖とともに終了する。
  • 横径(太さ)の成長=骨膜内層からの付加的な骨形成。成人でも骨折治癒や骨のリモデリングで働く。
比較表
項目膜内(膜性)骨化軟骨内骨化
別名結合組織内骨化/付加骨置換骨
過程間葉細胞→骨芽細胞→類骨→石灰化間葉細胞→軟骨のひな型→骨に置換
代表的な骨頭蓋冠、顔面骨、下顎骨、鎖骨の一部四肢の長管骨、椎骨、骨盤
担う成長骨の太さ(横径)骨の長さ(長径)
成長の場骨膜の内層骨端軟骨板(成長板)
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