学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ24A018

理由で解く 柔道整復師

QJ24A018 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問18
問題
靱帯断裂部に圧痛が確認できないのはどれか。
選択肢
1 肘関節の内側側副靱帯
2 小指 PIP 関節の橈側側副靱帯
3 膝関節の前十字靱帯
4 距腿関節の前距腓靱帯
解答
正解3(膝関節の前十字靱帯)
解説

前十字靱帯は関節の内部にあり体表から直接押せないため、断裂部に圧痛を確認できません。正答は3。

圧痛が確認できるかどうかは、その靱帯が皮下の浅いところにあって指で直接押さえられるかで決まります。肘の内側側副靱帯、手指PIP関節の側副靱帯、足関節の前距腓靱帯は、いずれも皮下浅層を走るため、断裂部を指で押せば鋭い圧痛が誘発され、圧痛点の位置が損傷部位の同定に直結します。ところが前十字靱帯は関節包の内側(滑膜の外)にあり、大腿骨外側顆の内面から脛骨顆間隆起へと関節腔の中を斜めに走るため、体表からは触れようがありません。そのため評価は圧痛ではなく、受傷機転(ジャンプ着地や急停止・方向転換といった非接触の外反+回旋、断裂音の自覚、膝くずれ)と、受傷直後から数時間で強い腫脹が出る関節血症、そして徒手検査(ラックマンテスト、前方引き出しテスト、Nテスト)で行います。膝の関節裂隙に圧痛があれば半月板や側副靱帯の損傷を考えます。前十字靱帯損傷を疑ったら、アイシングと固定を行い、早期にMRIを含む整形外科の評価につなげます。

✗ 1. 圧痛を確認できる(答えではない)
肘関節の内側側副靱帯
上腕骨内側上顆から尺骨へ走る皮下浅層の靱帯で、断裂部を直接押さえて圧痛を確認できる。設問の条件に当てはまらない。
✗ 2. 圧痛を確認できる(答えではない)
小指 PIP 関節の橈側側副靱帯
指の側副靱帯は皮下直下にあり、関節側面を押さえれば圧痛が明瞭に出る。突き指で頻度の高い損傷でもある。
✓ 3. 圧痛を確認できない(正答)
膝関節の前十字靱帯
関節包内(滑膜外)を走る関節内靱帯で、体表から触知できないため断裂部の圧痛を確認できない。受傷機転・関節血症・ラックマンテストなどで評価する。
✗ 4. 圧痛を確認できる(答えではない)
距腿関節の前距腓靱帯
外果前下方の皮下浅層にあり、足関節内反捻挫で最も損傷されやすい靱帯。外果前方を押さえて圧痛を確認できる。
ポイント
  • 圧痛が確認できるのは皮下浅層を走る関節外靱帯。関節内靱帯は触知できない。
  • 膝の前十字靱帯・後十字靱帯は関節包内(滑膜外)にあり、断裂部の圧痛は得られない。
  • 前十字靱帯損傷の手がかりは、非接触の外反+回旋という受傷機転、断裂音、膝くずれ、受傷早期の関節血症
  • 徒手検査はラックマンテスト(感度が高い)、前方引き出しテスト、Nテスト(ピボットシフト)。
  • 足関節内反捻挫では前距腓靱帯の圧痛が最も多い。圧痛点の位置が損傷靱帯の同定に直結する。
比較表
靱帯位置断裂部の圧痛
肘関節 内側側副靱帯関節外・皮下浅層確認できる
PIP関節 側副靱帯関節外・皮下直下確認できる
膝関節 前十字靱帯関節包内(滑膜外)確認できない
距腿関節 前距腓靱帯関節外・外果前下方の皮下確認できる
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