学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ24A019

理由で解く 柔道整復師

QJ24A019 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問19
問題
小児の骨折で生じにくいのはどれか。
選択肢
1 偽関節
2 過成長
3 過剰仮骨形成
4 自家矯正
解答
正解1(偽関節)
解説

小児は骨癒合が旺盛なため、偽関節はきわめて生じにくい合併症です。正答は1。

小児の骨は成人と比べて骨膜が厚く強靱で、血行が豊富です。骨折しても骨膜がヒンジのように連続性を保ち、そこから旺盛に仮骨が形成されるため、癒合期間は成人よりずっと短く、ときに過剰仮骨がみられます。また骨折部周囲の血流増加が骨端線を刺激して、健側より患肢が長くなる過成長が起こることがあり、下肢では脚長差として問題になります。残った角状変形も、成長に伴うリモデリング(自家矯正)によって整えられていきます。ただし自家矯正には条件があり、年齢が低いほど、骨端線に近い部位ほど、関節運動と同じ方向の変形ほどよく矯正される一方で、回旋(捻転)変形と関節内骨折の転位は自家矯正が期待できません。したがって小児だからと安心せず、回旋変形を残さないよう整復と固定を行い、骨端線損傷が疑われる場合は成長障害の可能性を踏まえて医師の診察につなぐことが大切です。偽関節は血行障害や骨欠損、固定不良など特別な条件が重ならない限り、小児ではまず生じません。

✓ 1. 生じにくい(正答)
偽関節
骨癒合が停止して異常可動性が残った状態。小児は骨膜が厚く血行も豊富で仮骨形成が旺盛なため、偽関節はきわめてまれである。これが正答となる。
✗ 2. 生じやすい(答えではない)
過成長
骨折部周囲の血流増加が骨端線を刺激し、患肢が健側より長くなる現象。小児に特有で、設問の条件に当てはまらない。
✗ 3. 生じやすい(答えではない)
過剰仮骨形成
厚い骨膜と豊富な血行により仮骨が旺盛に形成され、成人より大きな仮骨ができやすい。小児の特徴のひとつ。
✗ 4. 生じやすい(答えではない)
自家矯正
成長に伴うリモデリングで残存変形が整えられる現象で、小児骨折の大きな特徴。ただし回旋変形と関節内骨折の転位には期待できない。
ポイント
  • 小児の骨は骨膜が厚く血行が豊富。仮骨形成が旺盛で癒合が速く、偽関節はまれ
  • 小児骨折の特徴=若木骨折・竹節状骨折などの不全骨折、骨端線損傷、過剰仮骨、過成長、自家矯正。
  • 自家矯正は「年齢が低いほど」「骨端線に近いほど」「関節運動と同方向の変形ほど」よく働く。
  • 回旋(捻転)変形と関節内骨折の転位は自家矯正されない。整復で確実に戻す必要がある。
  • 骨端線損傷は成長障害・変形をきたしうるため、疑われたら医師の診察につなぐ。
比較表
項目小児の骨折成人の骨折
骨癒合速い、仮骨が旺盛遅い
偽関節きわめてまれ生じうる
自家矯正期待できる(回旋・関節内は除く)ほとんど期待できない
過成長みられるみられない
特有の病態骨端線損傷、若木・竹節状骨折粉砕骨折、遷延治癒
関節拘縮残りにくい残りやすい
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