学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 一般 / QO59P029

理由で解く 作業療法士

QO59P029 作業療法治療学

出典:第59回作業療法士国家試験(2024)午後 問29
問題
高次脳機能障害の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる。
2 遂行機能障害に対してはPQRST法を用いる。
3 注意障害に対しては刺激の多い環境を設定する。
4 社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す。
5 半側空間無視に対してはAPT〈Attention Process Training〉を用いる。
解答
正解1(記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる。)、4(社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す。)
解説

記憶障害には想起間隔を徐々に延ばす間隔伸張法(spaced retrieval)が有効。社会的行動異常は本人の統制が難しいため、周囲の理解と環境調整が対応の要となる。

高次脳機能障害では、障害ごとに適したアプローチを選ぶ。記憶障害には、正答を反復想起させる間隔を徐々に延長する間隔伸張法(spaced retrieval)が用いられ、残存する手続き記憶を活かして情報を定着させる。社会的行動異常(脱抑制・易怒性など)は本人の意志的制御が難しく、周囲の人々に症状を理解してもらい環境・対応を調整することが基本となる。一方、PQRST法は文章記銘の記憶訓練法であり遂行機能障害用ではない。注意障害では刺激の少ない静かな環境設定が原則で、刺激を増やすのは逆効果。APT〈Attention Process Training〉は注意障害の直接訓練法で、半側空間無視の第一選択ではない。

✓ 1. 正しい
記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる。
想起間隔を漸増させ記憶を定着させる有効な手法
✗ 2. 誤り
遂行機能障害に対してはPQRST法を用いる。
PQRSTは文章記銘のための記憶訓練法で、遂行機能障害の技法ではない
✗ 3. 誤り
注意障害に対しては刺激の多い環境を設定する。
注意障害では刺激を減らした静かな環境が原則。刺激増加は不適切
✓ 4. 正しい
社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す。
本人の制御が難しく、周囲の理解と環境調整が基本対応
✗ 5. 誤り
半側空間無視に対してはAPT〈Attention Process Training〉を用いる。
APTは注意障害の直接訓練法で、無視の第一選択ではない
ポイント
  • 記憶障害=間隔伸張法・誤りなし学習
  • PQRST法は文章記銘の記憶訓練法
  • 注意障害=刺激を減らした環境+APT
  • 社会的行動異常=周囲の理解と環境調整
比較表
高次脳機能障害と主な介入法
障害主な介入
記憶障害間隔伸張法・誤りなし学習・PQRST法
注意障害刺激を減らした環境・APT
半側空間無視視覚探索訓練・プリズム順応
社会的行動異常周囲の理解・環境調整
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