学習トップ理由で解く 作業療法士第4章 ▸ 一般 / QO54P092

理由で解く 作業療法士

QO54P092 臨床医学大要

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午後 問92
問題
脳腫瘍とその症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 下垂体腺腫 ― 両耳側半盲
2 視神経膠腫 ― てんかん発作
3 髄芽腫 ― 下垂体機能不全
4 聴神経鞘腫 ― 尿崩症
5 頭蓋咽頭腫 ― 難聴
解答
正解1(下垂体腺腫 ― 両耳側半盲)
解説

下垂体腺腫は上方へ伸展して視交叉を圧迫し、両耳側半盲をきたす。腫瘍の局在と圧迫される構造から症状を導く問題である。

脳腫瘍の症状は発生部位と隣接構造への圧迫で決まる。下垂体はトルコ鞍内で視交叉のすぐ下方にあり、下垂体腺腫が上方へ伸展すると視交叉で交叉する鼻側網膜由来の線維(耳側視野を担う)が圧迫され、両耳側半盲が生じるため選択肢1が正しい組合せである。視神経膠腫は視神経に沿って発育し、視力低下・視野障害・眼球突出をきたす腫瘍で、てんかん発作は大脳半球の病変で起こる。髄芽腫は小脳虫部・第四脳室に好発する小児腫瘍で、体幹失調や閉塞性水頭症による頭蓋内圧亢進症状を示し、下垂体機能不全とは結びつかない。聴神経鞘腫(前庭神経鞘腫)は小脳橋角部に生じ、難聴・耳鳴・めまいや顔面の感覚障害をきたす一方、尿崩症は下垂体後葉・視床下部の病変で起こる。頭蓋咽頭腫は鞍上部に生じる腫瘍で、視交叉圧迫による視野障害や下垂体機能低下・尿崩症・低身長を示し、難聴とは結びつかない。このように4と5は症状が入れ替わっており、いずれも誤りである。

✓ 1. 正しい
下垂体腺腫 ― 両耳側半盲
上方へ伸展した腺腫が視交叉を圧迫する古典的な組合せ
✗ 2. 誤り
視神経膠腫 ― てんかん発作
視神経膠腫は視力低下・視野障害。てんかん発作は大脳半球病変で生じる
✗ 3. 誤り
髄芽腫 ― 下垂体機能不全
髄芽腫は小脳の小児腫瘍で体幹失調・水頭症をきたす
✗ 4. 誤り
聴神経鞘腫 ― 尿崩症
聴神経鞘腫は小脳橋角部で難聴・耳鳴・めまい。尿崩症は下垂体後葉・視床下部病変
✗ 5. 誤り
頭蓋咽頭腫 ― 難聴
頭蓋咽頭腫は鞍上部で視野障害・下垂体機能低下・尿崩症をきたす
ポイント
  • 下垂体腺腫→視交叉圧迫→両耳側半盲
  • 聴神経腫(前庭神経鞘腫)→小脳橋角部→難聴・耳鳴・平衡障害
  • 髄芽腫→小脳(第四脳室)の小児腫瘍→運動失調・水頭症
  • 尿崩症・下垂体機能低下→鞍上部病変(頭蓋咽頭腫など)
比較表
主な脳腫瘍の好発部位と特徴症状
腫瘍好発部位特徴症状
下垂体腺腫トルコ鞍内両耳側半盲・内分泌異常
聴神経腫小脳橋角部難聴・耳鳴・平衡障害
髄芽腫小脳(小児)運動失調・水頭症
頭蓋咽頭腫鞍上部(小児)視野障害・下垂体機能低下・尿崩症
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