学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ I. 心療内科 / Q1496

理由で解く 臨床医学各論

Q1496 その他の領域

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題87
問題
心身症の特徴として適切でない記述はどれか。
選択肢
1 させられ体験がある。
2 不安感を伴う。
3 愁訴が多い。
4 心理的要因に影響される。
解答
正解1(させられ体験がある。)
解説
✓ 1. 誤り
させられ体験がある。
させられ体験(作為体験)は統合失調症に特徴的な自我障害の症状であり、心身症の特徴ではない。させられ体験は自分の意志ではなく外部の力によって行動させられていると感じるものであり、心身症の「心理社会的因子が身体症状に影響する」という病態とは全く異なる。心身症の定義では神経症やうつ病など他の精神障害に伴う身体症状は除外される。
✗ 2.
不安感を伴う。
✗ 正しい。心身症では身体症状以外に不安感、憂うつ感、不眠などの症状がしばしば認められる。心理社会的ストレスに伴って不安感が生じることは心身症の特徴として適切な記述である。
✗ 3.
愁訴が多い。
✗ 正しい。心身症では愁訴は不定で多愁訴であり、症候が移動することもある。多彩な身体的愁訴がみられることは心身症の特徴として適切な記述である。
✗ 4.
心理的要因に影響される。
✗ 正しい。心身症は定義上、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与する疾患であり、心理的要因に影響されることは心身症の最も本質的な特徴である。
ポイント
  • 心身症の定義は「身体疾患の中で、発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質性ないし機能性障害が認められる病態」であり、神経症やうつ病など他の精神障害に伴う身体症状は除外される。
  • させられ体験は統合失調症の自我障害(シュナイダーの一級症状)であり、心身症の特徴には含まれない。心身症と統合失調症の症状を混同しないことが重要。
  • 心身症では不安感・多愁訴・心理的要因の関与が特徴であり、代表的疾患として消化性潰瘍、本態性高血圧症、気管支喘息、過敏性腸症候群、過換気症候群、緊張型頭痛などがある。
  • 重要用語: 心身症、させられ体験、統合失調症、心理社会的因子、心身相関 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 心身症 統合失調症
病態の本質 心理社会的因子による身体疾患 内因性精神疾患
特徴的症状 不安感、多愁訴、身体症状 幻覚、妄想、させられ体験
病識 あり なし(典型例)
治療 身体的治療+心理療法の統合 抗精神病薬+心理社会的治療
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題87|心身症の特徴として適切でない記述はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題87|心身症の特徴として適切でない記述はどれか。
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