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理由で解く 臨床医学各論

Q1342 その他の領域

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題83
問題
熱傷について正しい記述はどれか。
選択肢
1 第1度の熱傷では最初にステロイド軟膏の塗布を行う。
2 「9 の法則」では頭部は総体表面積の18% にあたる。
3 広範囲の熱傷では早期に輸液療法を開始する。
4 第3 度の熱傷では水泡形成が主体である。
解答
正解3(広範囲の熱傷では早期に輸液療法を開始する)
解説
✗ 1. 誤り
第1度の熱傷では最初にステロイド軟膏の塗布を行う。
熱傷の初期治療で最初に行うべきは水道水による冷却と洗浄であり、ステロイド軟膏の塗布ではない。ごく初期には受傷現場での水道水による冷却と洗浄がもっとも肝心である。I度熱傷に対するステロイド含有ローションやクリームは局所療法として冷却後に用いるものである。
✗ 2. 誤り
「9 の法則」では頭部は総体表面積の18% にあたる。
「9の法則」では成人の頭部は体表面積の9%に相当する。18%に相当するのは体幹前面・体幹後面・片側下肢(大腿+下腿)である。身体各部位の面積を体表面積の9%またはその2倍の18%に相当するものとして簡略化した、外陰部は1%と算定する。
✓ 3. 正しい
広範囲の熱傷では早期に輸液療法を開始する。
広範囲熱傷では血管透過性の亢進により大量の血漿成分が組織間に漏出し、循環血液量が急速に減少してショックに陥る危険がある。しかるべき医療機関に搬送する時間が30分以上を見こまれる場合にはショックを避けるために早期に点滴路を確保して輸液をスタートするべきである。新鮮凍結血漿やヘスパンダーなどの輸液も使用される。
✗ 4. 誤り
第3 度の熱傷では水泡形成が主体である。
水疱形成はII度熱傷(特に浅達性II度)の特徴的所見である。III度熱傷は皮膚全層の凝固壊死で創面は蒼白・乾燥し水疱形成や痛覚はないであり、III度では水疱は形成されず、羊皮紙様で時に炭化し、無痛である。
ポイント
  • 熱傷の初期治療は「まず水道水による冷却(20分程度)」が最優先。軟膏や家庭常備薬はつけるべきでない。
  • 9の法則: 頭部9%、片上肢9%、体幹前面18%、体幹後面18%、片下肢18%、外陰部1%。手掌法は手のひら=約1%。
  • II度以上の熱傷が体表面積の15%を超えるとショックの危険性が高まり、早期輸液が必要となる。
  • 重要用語: 9の法則、手掌法、広範囲熱傷、輸液療法 を正確に理解しておくこと。
比較表
9の法則(成人) 体表面積
頭部 9%
片側上肢 9%
体幹前面 18%
体幹後面 18%
片側下肢 18%
外陰部 1%
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題83|熱傷について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題83|熱傷について正しい記述はどれか。
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