学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ B. 一般外科 / Q1322

理由で解く 臨床医学各論

Q1322 その他の領域

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題82
問題
ショックについて誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 心原性ショック ― 循環血液量の減少
2 敗血症性ショック ― エンドトキシン
3 神経原性ショック ― 血管壁の緊張低下
4 アナフィラキシーショック ― 抗原抗体反応
解答
正解1(心原性ショック ― 循環血液量の減少)
解説
✓ 1. 誤り
心原性ショック ― 循環血液量の減少
心原性ショックは心臓のポンプ機能低下(急性心筋梗塞、重症心筋炎、心タンポナーデなど)が原因であり、循環血液量自体は保たれている。循環血液量の減少は出血性ショック(循環血液量減少性ショック)の原因機序であり、大量出血、脱水、熱傷などで生じる。心原性と循環血液量減少性は原因機序が根本的に異なる。
✗ 2.
敗血症性ショック ― エンドトキシン
✗ 正しい。敗血症性ショックは主にグラム陰性菌のエンドトキシン(リポ多糖:LPS)などの細菌毒素により、全身性の血管拡張と血管透過性亢進が生じて発症する。初期にはhigh output state(warm shock)を呈し、進行するとlow output state(cold shock)に移行する。
✗ 3.
神経原性ショック ― 血管壁の緊張低下
✗ 正しい。神経原性ショックは脊髄損傷や深い全身麻酔などにより交感神経機能が障害され、末梢血管の緊張が低下(血管拡張)することで静脈還流が減少し発症する。徐脈を伴うことが特徴で、出血性ショックの頻脈とは異なる。
✗ 4.
アナフィラキシーショック ― 抗原抗体反応
✗ 正しい。アナフィラキシーショックはI型アレルギー反応(IgEを介した抗原抗体反応)により、肥満細胞・好塩基球からヒスタミンなどの化学伝達物質が大量に遊離され、全身の血管拡張と血管透過性亢進が急速に生じて発症する。食物、薬物、蜂毒などが原因となる。
ポイント
  • ショックの本態は心拍出量の減少による組織循環不全と酸素欠乏であり、原因機序により心原性、循環血液量減少性、血液分布異常性(敗血症性、神経原性、アナフィラキシー性)、心外閉塞・拘束性に分類される。
  • 心原性ショックと循環血液量減少性ショックの鑑別は重要であり、心原性は心ポンプ機能低下(頸静脈怒張あり)、循環血液量減少性は血液量不足(頸静脈虚脱)が特徴である。
  • アナフィラキシーショックは発症が急速で致死的となりうるため、アドレナリン(エピネフリン)の筋肉内注射が第一選択の治療となる。
  • 敗血症性ショックではwarm shockからcold shockへの進行パターンを理解し、神経原性ショックでは徐脈を伴う点が他のショックとの鑑別点となる。
  • 重要用語: 心原性ショック、循環血液量減少性ショック、アナフィラキシーショック、エンドトキシン を正確に理解しておくこと。
比較表
ショックの種類 原因機序 代表的原因 特徴的所見
心原性 ポンプ機能低下 心筋梗塞、心筋炎 頸静脈怒張、肺うっ血
循環血液量減少性 血液量不足 大量出血、脱水 頸静脈虚脱、頻脈
敗血症性 エンドトキシン グラム陰性菌感染 高熱、warm shock
神経原性 血管緊張低下 脊髄損傷 徐脈、皮膚温暖
アナフィラキシー 抗原抗体反応 食物、薬物、蜂毒 蕁麻疹、喉頭浮腫
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題82|ショックについて誤っている組合せはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題82|ショックについて誤っている組合せはどれか。
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