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理由で解く 臨床医学各論

Q1335 その他の領域

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題86
問題
重症熱傷の初期治療で正しいのはどれか。
選択肢
1 全身の冷却
2 頭部の挙上
3 輸液
4 輸血
解答
正解3(輸液)
解説
✗ 1. 誤り
全身の冷却
全身の冷却は低体温を招くリスクがあり、広範囲の重症熱傷では不適切である。狭い範囲の熱傷に対して「水道水による冷却を20分ほど行って」からきれいなタオルやシーツで覆い医療機関へ搬送するとあるが、これはあくまで局所の初期処置である。広範囲熱傷では全身を冷却すると体温低下により循環動態がさらに悪化する。
✗ 2. 誤り
頭部の挙上
頭部の挙上は熱傷の初期治療として特に重要ではない。重症熱傷では循環血液量の確保が最優先であり、頭部挙上は脳圧亢進時などに行う処置で、熱傷治療の標準的手技ではない。ショック状態では下肢挙上が考慮されることはある。
✓ 3. 正しい
輸液
重症熱傷の初期治療で最も重要なのは輸液である。広範囲熱傷の場合で、しかるべき医療機関に搬送する時間が30分以上を見こまれる場合にはショックを避けるために早期に点滴路を確保して輸液をスタートするべきである。さらに十分な点滴と新鮮凍結血漿(FFP)、ヘスパンダー、低分子デキストランなどの輸液を要するであり、血管透過性亢進による体液喪失に対する速やかな輸液が必要である。
✗ 4. 誤り
輸血
初期には輸血よりも輸液が優先される。重症熱傷では血管透過性亢進による血漿成分の喪失が主であり、赤血球の直接的な喪失は少ない。したがって、まずは細胞外液補充剤や膠質液による輸液で循環血液量を維持する。輸血は貧血が高度な場合や出血を伴う場合に考慮する。
ポイント
  • 重症熱傷の初期治療では血管透過性亢進による体液喪失に対する輸液が最も重要であり、早期に点滴路を確保してショックを予防する。
  • 局所の狭い範囲の熱傷では水道水による冷却が有効だが、広範囲熱傷での全身冷却は低体温を招き危険である。
  • 初期には輸血よりも輸液が優先される。血漿成分の喪失が主であり、赤血球の直接的喪失は少ないためである。
  • 重要用語: 重症熱傷、輸液、血管透過性亢進、ショック予防 を正確に理解しておくこと。
比較表
初期治療 適切性 理由
輸液 最優先 血漿成分漏出によるショック予防
局所冷却(狭い範囲) 有効 組織損傷の進行を抑制
全身冷却(広範囲) 不適切 低体温による循環動態悪化
輸血 初期は優先度低 赤血球喪失は少なく、まず輸液
感染防止 重要 破傷風対策、抗菌薬使用
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題86|重症熱傷の初期治療で正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題86|重症熱傷の初期治療で正しいのはどれか。
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