学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1214

理由で解く 臨床医学各論

Q1214 神経疾患

出典:あマ指 第30回(2022) 問題50
問題
ギラン・バレー症候群で正しいのはどれか。
選択肢
1 筋疾患である。
2 主たる症状は感覚障害である。
3 深部伳反射は亢進する。
4 末梢神経伝導速度が低下する。
解答
正解4(末梢神経伝導速度が低下する。)
解説
✗ 1. 誤り
筋疾患である。
ギラン・バレー症候群は筋疾患ではなく末梢神経疾患(脱髄性多発神経炎)である。 筋自体は障害されず、末梢神経の髄鞘が自己免疫機序により破壊される疾患である。筋疾患としては進行性筋ジストロフィーや重症筋無力症がある。
✗ 2. 誤り
主たる症状は感覚障害である。
ギラン・バレー症候群の主たる症状は運動障害(弛緩性麻痺)であり、感覚障害は軽度または認めないことが多い。 運動優位の末梢神経障害であり、四肢のしびれ感はみられることがあるが運動障害が主体である。
✗ 3. 誤り
深部伳反射は亢進する。
ギラン・バレー症候群は末梢神経障害(下位運動ニューロン障害)であるため、深部腱反射は減弱から消失する。 腱反射の亢進は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)でみられる所見であり、本症の脱髄性末梢神経障害では逆に消失する。
✓ 4. 正しい
末梢神経伝導速度が低下する。
ギラン・バレー症候群では末梢神経の脱髄により神経伝導速度が低下する。 最も多い病型である急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(AIDP)では、髄鞘の障害が跳躍伝導を阻害し伝導速度の低下や伝導ブロックがみられる。 末梢神経伝導検査は診断に重要な補助検査であり、運動神経優位の伝導速度低下が特徴的である。
ポイント
  • ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄性疾患であり、運動優位の症状(弛緩性麻痺)、腱反射消失、神経伝導速度低下が特徴的である。
  • 筋疾患ではなく神経疾患であること、主症状は運動障害であり感覚障害は軽微であることを区別する。
  • 急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(AIDP)が最も多い病型であり、脱髄により跳躍伝導が障害される。
  • 重要用語: ギラン・バレー症候群, 末梢神経伝導速度低下, 脱髄, 弛緩性麻痺, 腱反射消失 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別 ギラン・バレー症候群 筋疾患(筋ジストロフィーなど)
病変部位 末梢神経(髄鞘) 筋線維
主症状 運動障害(弛緩性麻痺) 近位筋優位の筋力低下
腱反射 減弱〜消失 減弱(筋萎縮に応じて)
神経伝導速度 低下 正常
筋電図 脱髄パターン 筋原性パターン
経過 急性・一相性 慢性・進行性
解説画像
あマ指 第30回(2022) 問題50|ギラン・バレー症候群で正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第30回(2022) 問題50|ギラン・バレー症候群で正しいのはどれか。
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