学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1215

理由で解く 臨床医学各論

Q1215 神経疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題85
問題
次の症例について、「30歳の男性。右手小指のしびれを主訴に受診。手関節の可動域制限はないが、右肘関節の屈曲可動域は120度であった。幼少期に右肘関節骨折の治療歴がある。」身体所見上認められるのはどれか。
選択肢
1 肘関節屈筋力低下
2 外反肘
3 下垂手
4 猿手
解答
正解2(外反肘)
解説
✗ 1. 誤り
肘関節屈筋力低下
肘関節屈筋力低下は筋皮神経障害でみられる所見であり、本症例の小指しびれ(尺骨神経領域)を説明できない。 肘関節の屈曲可動域制限は骨折後の関節拘縮によるものであり、筋力低下とは異なる。
✓ 2. 正しい
外反肘
幼少期の肘関節骨折(上腕骨外顆骨折)の後遺症として外反肘変形が認められる。 外反肘により肘内側を走行する尺骨神経が慢性的に牽引・圧迫され、数年〜数十年後に遅発性尺骨神経麻痺が発症する。 本症例の小指しびれは尺骨神経の感覚支配領域に一致しており、外反肘による肘部管症候群の典型的な病態である。
✗ 3. 誤り
下垂手
下垂手は橈骨神経麻痺の所見であり、手関節背屈と手指MP関節伸展の不能を呈する。 小指のしびれは橈骨神経の支配領域ではなく、尺骨神経障害を示す。
✗ 4. 誤り
猿手
猿手は正中神経麻痺の所見であり、母指球筋の萎縮により母指対立が不能となる。 小指のしびれは正中神経の支配領域ではなく、尺骨神経障害を示す。
ポイント
  • 幼少期の肘関節骨折後の外反肘変形は遅発性尺骨神経麻痺の重要な原因であり、小指のしびれが初発症状となることが多い。
  • 進行すると鷲手変形、フローマン徴候陽性、小指球筋・骨間筋の萎縮がみられる。
  • 受傷から数年〜数十年後に症状が出現するため、既往歴の聴取が診断の鍵となる。
  • 重要用語: 外反肘, 遅発性尺骨神経麻痺, 肘部管症候群, 小指しびれ, 上腕骨外顆骨折後遺症 を正確に理解しておくこと。
比較表
病態の流れ 内容
原因 幼少期の上腕骨外顆骨折
後遺症 外反肘変形
二次障害 肘部管での尺骨神経の慢性圧迫・牽引
初発症状 小指・環指尺側のしびれ
進行時所見 鷲手変形・フローマン徴候陽性・骨間筋萎縮
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題85|次の症例について、「30歳の男性。右手小指のしびれを主訴に受診。手関節の可動域制限はないが、右肘関節の屈曲可動域は120度であった。幼少期に右肘関節骨折の治療歴がある。」身体所見上認められるのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題85|次の症例について、「30歳の男性。右手小指のしびれを主訴に受診。手関節の可動域制限はないが、右肘関節の屈曲可動域は120度であった。幼少期に右肘関節骨折の治療歴がある。」身体所見上認められるのはどれか。
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