学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1216

理由で解く 臨床医学各論

Q1216 神経疾患

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題86
問題
次の症例について、「30歳の男性。右手小指のしびれを主訴に受診。手関節の可動域制限はないが、右肘関節の屈曲可動域は120度であった。幼少期に右肘関節骨折の治療歴がある。」障害神経はどれか。
選択肢
1 筋皮神経
2 橈骨神経
3 正中神経
4 尺骨神経
解答
正解4(尺骨神経)
解説
✗ 1. 誤り
筋皮神経
筋皮神経は上腕二頭筋・上腕筋を支配し、前腕外側の皮膚感覚を担当する。 小指のしびれは筋皮神経の支配領域ではなく、この神経の障害では説明できない。
✗ 2. 誤り
橈骨神経
橈骨神経は手関節・手指の伸展と手背橈側の感覚を支配する。 小指のしびれは橈骨神経の支配領域ではなく、橈骨神経障害では下垂手がみられる。
✗ 3. 誤り
正中神経
正中神経は母指〜環指橈側半分の掌側感覚を支配する。 小指のしびれは正中神経の支配領域ではなく、正中神経障害では猿手がみられる。
✓ 4. 正しい
尺骨神経
小指のしびれは尺骨神経の感覚支配領域(小指および環指の尺側半分)に一致する。 幼少期の肘関節骨折(上腕骨外顆骨折)後の外反肘変形により、肘部管で尺骨神経が慢性的に圧迫・牽引されて遅発性尺骨神経麻痺が発症した。 進行すると鷲手変形、フローマン徴候陽性、小指球筋・骨間筋の萎縮がみられるようになる。
ポイント
  • 小指のしびれは尺骨神経障害を示す典型的な症状であり、本症例では外反肘による肘部管症候群が原因である。
  • 上肢の各神経の感覚支配領域と障害時の手の変形を対応させて覚える。
  • 正中神経は母指〜環指橈側の掌側を支配し、橈骨神経は手背橈側を支配するため、しびれの部位から障害神経を推定できる。
  • 重要用語: 尺骨神経, 小指しびれ, 肘部管症候群, 遅発性麻痺, 鷲手変形 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経 感覚支配領域 麻痺時の手の変形
尺骨神経 小指・環指尺側 鷲手
正中神経 母指〜環指橈側の掌側 猿手
橈骨神経 手背橈側 下垂手
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題86|次の症例について、「30歳の男性。右手小指のしびれを主訴に受診。手関節の可動域制限はないが、右肘関節の屈曲可動域は120度であった。幼少期に右肘関節骨折の治療歴がある。」障害神経はどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題86|次の症例について、「30歳の男性。右手小指のしびれを主訴に受診。手関節の可動域制限はないが、右肘関節の屈曲可動域は120度であった。幼少期に右肘関節骨折の治療歴がある。」障害神経はどれか。
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