学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1211

理由で解く 臨床医学各論

Q1211 神経疾患

出典:あマ指 第28回(2020) 問題55
問題
ベル麻痺に伴うのはどれか。
選択肢
1 複視
2 味覚障害
3 鼻閉
4 舌痛
解答
正解2(味覚障害)
解説
✗ 1. 誤り
複視
複視は外眼筋を支配する脳神経(動眼神経・滑車神経・外転神経)の障害でみられる症状であり、顔面神経麻痺では生じない。 顔面神経は表情筋を支配するが、眼球運動には関与しない。
✓ 2. 正しい
味覚障害
ベル麻痺では顔面神経の分枝である鼓索神経の障害により、舌の前2/3の味覚障害を伴うことがある。 病変が膝神経節に強い場合に顕著であり、涙分泌障害・唾液分泌障害・聴覚過敏なども伴う。 ベル麻痺は顔面神経管内でウイルス感染などにより顔面神経が腫脹し圧迫されて生じるため、鼓索神経の障害も同時に起こりやすい。
✗ 3. 誤り
鼻閉
鼻閉は鼻腔の粘膜腫脹やアレルギー性鼻炎などで生じる症状であり、ベル麻痺で直接的に生じる症状ではない。 顔面神経は鼻腔の通気性には関与しない。
✗ 4. 誤り
舌痛
舌痛は三叉神経や舌咽神経の障害、あるいは鉄欠乏性貧血などでみられることがあるが、ベル麻痺の特徴的症状ではない。 ベル麻痺で障害されるのは舌の「味覚」であり、舌の「痛覚」ではない。
ポイント
  • ベル麻痺では顔面の運動麻痺に加え、鼓索神経障害による舌前2/3の味覚障害、聴覚過敏(アブミ骨筋麻痺)、涙分泌障害が伴うことがある。
  • 治療は早期(3日以内)の副腎皮質ステロイド投与と星状神経節ブロックが基本で、1〜3ヵ月で回復することが多い。
  • 末梢性顔面神経麻痺では額を含む片側全体が麻痺し、中枢性では額のしわ寄せは保たれる点が鑑別のポイントである。
  • 重要用語: ベル麻痺, 味覚障害, 鼓索神経, 舌前2/3, 聴覚過敏 を正確に理解しておくこと。
比較表
障害部位 伴う症状
表情筋(顔面神経本幹) 額のしわ寄せ不能・閉眼困難(兎眼)・口角下垂
鼓索神経 舌前2/3の味覚障害・唾液分泌障害
アブミ骨筋神経 聴覚過敏
大錐体神経 涙分泌障害
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題55|ベル麻痺に伴うのはどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題55|ベル麻痺に伴うのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手