学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ I. 末梢神経性疾患 / Q1210

理由で解く 臨床医学各論

Q1210 神経疾患

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題56
問題
ラムゼイハント症候群の治療薬はどれか。
選択肢
1 免疫抑制薬
2 抗菌薬
3 抗ウイルス薬
4 非ステロイド性抗炎症薬
解答
正解3(抗ウイルス薬)
解説
✗ 1. 誤り
免疫抑制薬
免疫抑制薬はラムゼイハント症候群の治療には用いない。むしろ免疫抑制状態は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化を促進する要因となり、原因側の薬剤である。 免疫抑制薬を使用するのは自己免疫疾患(重症筋無力症やギラン・バレー症候群など)である。
✗ 2. 誤り
抗菌薬
抗菌薬は細菌感染に対する治療薬であり、ウイルス感染であるラムゼイハント症候群には無効である。 細菌性髄膜炎などには抗菌薬が用いられるが、ウイルス性疾患とは治療薬が異なる。
✓ 3. 正しい
抗ウイルス薬
ラムゼイハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により膝神経節が障害される疾患であり、治療には抗ウイルス薬(アシクロビル・バラシクロビル)が用いられる。 早期からの抗ウイルス薬投与が重要であり、副腎皮質ステロイドの併用も行われる。 ベル麻痺に比べて麻痺の回復は遅く、不全麻痺を残すことが多い。
✗ 4. 誤り
非ステロイド性抗炎症薬
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は鎮痛目的に補助的に用いることはあるが、ラムゼイハント症候群の根本的な治療薬ではない。 原因であるウイルスの増殖を抑えるためには抗ウイルス薬が必須である。
ポイント
  • ラムゼイハント症候群はVZVの再活性化による膝神経節炎であり、耳介周囲の帯状疱疹+顔面神経麻痺+聴力障害が三主徴である。
  • 治療は抗ウイルス薬(アシクロビル)の早期投与が基本で、ベル麻痺より予後不良である。
  • ベル麻痺との鑑別では外耳の帯状疱疹の有無が決め手であり、VZV感染の有無が治療選択に直結する。
  • 重要用語: ラムゼイハント症候群, 水痘帯状疱疹ウイルス, 抗ウイルス薬, 膝神経節 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 ベル麻痺 ラムゼイハント症候群
原因 原因不明(ウイルス説あり) 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
特徴的所見 末梢性顔面神経麻痺 外耳帯状疱疹+顔面神経麻痺+聴力障害
治療 ステロイド 抗ウイルス薬(アシクロビル)+ステロイド
予後 比較的良好(1〜3ヵ月で回復) 不良(不全麻痺を残しやすい)
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題56|ラムゼイハント症候群の治療薬はどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題56|ラムゼイハント症候群の治療薬はどれか。
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