学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ C. 骨代謝性疾患・骨腫瘍 / Q0685

理由で解く 臨床医学各論

Q0685 整形外科疾患

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題57
問題
骨粗鬆症における骨折危険因子でないのはどれか。
選択肢
1 運動
2 喫煙
3 糖尿病
4 副腎皮質ステロイド薬
解答
正解1(運動)
解説
✓ 1. 誤り
運動
運動は骨粗鬆症における骨折の危険因子ではなく、むしろ骨密度の維持・向上に有効な保護因子である。適度な荷重運動は骨への力学的刺激(メカニカルストレス)となり骨形成を促進する。また筋力強化やバランス能力の向上により転倒予防にも寄与し、骨折リスクを低減させる。
✗ 2.
喫煙
✗ 正しい。喫煙は骨粗鬆症の重要な危険因子である。喫煙により骨芽細胞の機能が低下し、腸管からのカルシウム吸収が障害される。また女性では閉経が早まる傾向があり、エストロゲン低下期間が延長して骨密度低下が促進される。
✗ 3.
糖尿病
✗ 正しい。糖尿病は骨折の危険因子である。特に1型糖尿病ではインスリン不足により骨形成が低下する。2型糖尿病では骨密度は必ずしも低下しないが、AGEs(終末糖化産物)の蓄積により骨質が劣化し、骨折リスクが増加する。
✗ 4.
副腎皮質ステロイド薬
✗ 正しい。副腎皮質ステロイド薬の長期使用はステロイド性骨粗鬆症を引き起こし、骨折リスクを著しく高める。ステロイドは骨芽細胞を抑制し破骨細胞を活性化するため急速な骨量減少をもたらし、さらに腸管からのCa吸収も阻害する。
ポイント
  • 運動は骨粗鬆症における骨折の「保護因子」であり、危険因子ではない
  • 骨折の危険因子には喫煙・糖尿病・ステロイド薬のほか、低体重・過度の飲酒・既存骨折の既往・大腿骨頚部骨折の家族歴がある
  • ステロイド性骨粗鬆症は続発性骨粗鬆症の中で最も頻度が高く、長期ステロイド使用時にはビスホスホネート製剤の予防投与が推奨される
  • 重要用語: 骨折危険因子と保護因子の区別 を正確に理解しておくこと。
比較表
因子 危険因子/保護因子 機序
運動 保護因子 骨への力学的刺激で骨形成促進
喫煙 危険因子 骨芽細胞機能低下・Ca吸収障害
糖尿病 危険因子 骨質劣化(AGEs蓄積)
ステロイド薬 危険因子 骨芽細胞抑制・破骨細胞活性化
低体重 危険因子 骨への荷重刺激不足
過度の飲酒 危険因子 骨芽細胞機能低下
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題57|骨粗鬆症における骨折危険因子でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題57|骨粗鬆症における骨折危険因子でないのはどれか。
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