学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ D. 基底核変性疾患 / Q1109

理由で解く 臨床医学各論

Q1109 神経疾患

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題82
問題
疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 ウィルソン病 ― 羽ばたき振戦
2 脊髄空洞症 ― 感覚解離
3 筋萎縮性側索硬化症 ― 筋力低下
4 パーキンソン病 ― 視力障害
解答
正解4(パーキンソン病 ― 視力障害)
解説
✗ 1.
ウィルソン病 ― 羽ばたき振戦
✗ 正しい。ウィルソン病は常染色体劣性遺伝の銅代謝異常疾患で、体内各組織(特に肝臓・大脳基底核)への銅の蓄積が起こる。神経症状として羽ばたき振戦(flapping tremor)、構音障害、ジストニア、アテトーゼなどの錐体外路徴候を呈する。カイザーフライシャー角膜輪も特徴的所見である。
✗ 2.
脊髄空洞症 ― 感覚解離
✗ 正しい。脊髄空洞症では脊髄中心部に空洞が形成され、交叉する温痛覚の伝導路(外側脊髄視床路に向かう線維)が障害される一方、後索を通る深部感覚や触覚は保たれるため、感覚解離(温痛覚障害+触覚保持)を呈する。宙吊型の温痛覚障害が特徴的である。
✗ 3.
筋萎縮性側索硬化症 ― 筋力低下
✗ 正しい。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位運動ニューロン(錐体路)と下位運動ニューロン(脊髄前角細胞)の両者が変性する進行性の疾患であり、筋力低下・筋萎縮が主要な症状である。感覚障害は認めない。
✓ 4. 誤り
パーキンソン病 ― 視力障害
パーキンソン病の主症状は安静時振戦・筋固縮・無動(寡動)・姿勢反射障害の四大症状であり、視力障害は含まれない。パーキンソン病は中脳黒質緻密層のドパミン神経細胞の変性によるものであり、視覚系の障害は生じない。仮面様顔貌、小刻み歩行、すくみ足などの運動障害が特徴である。
ポイント
  • パーキンソン病の四大症状:安静時振戦、筋固縮、無動(寡動)、姿勢反射障害
  • ウィルソン病の羽ばたき振戦、脊髄空洞症の感覚解離はそれぞれ特徴的な症状
  • 疾患と症状の正しい組合せを正確に把握しておくことが重要
  • 重要用語: パーキンソン病, ウィルソン病, 脊髄空洞症, 筋萎縮性側索硬化症 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 特徴的症状 病態
パーキンソン病 安静時振戦、筋固縮、無動 黒質ドパミン神経変性
ウィルソン病 羽ばたき振戦、角膜輪 銅代謝異常(銅蓄積)
脊髄空洞症 感覚解離(温痛覚↓触覚→) 脊髄中心部の空洞形成
筋萎縮性側索硬化症 筋力低下、筋萎縮 上位・下位運動ニューロン変性
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題82|疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題82|疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手