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理由で解く 臨床医学各論

Q1095 神経疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題80
問題
「60歳の男性。高血圧にて内服加療中。2日前から38℃の発熱、昨日から嘔吐と頭部全体の痛みがある。意識レベルはJCSでⅠ-1、血圧は178/90mmHgである。」本症例で確認すべき所見はどれか。
選択肢
1 ケルニッヒ徴候
2 ホルネル徴候
3 バレー徴候
4 ロンベルグ徴候
解答
正解1(ケルニッヒ徴候)
解説
✓ 1. 正しい
ケルニッヒ徴候
髄膜炎が疑われる本症例では、髄膜刺激症状であるケルニッヒ徴候を確認すべきである。 ケルニッヒ徴候は仰臥位で股関節・膝関節を90度屈曲した状態から膝を伸展させようとすると、痛みのために抵抗がある所見である。 項部硬直、ブルジンスキー徴候と合わせて髄膜刺激徴候の3つを評価する。
✗ 2. 誤り
ホルネル徴候
ホルネル徴候(Horner症候群)は交感神経障害による縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹の3徴であり、髄膜炎の評価には用いない。 頸部交感神経の障害(パンコースト腫瘍、延髄外側症候群など)で出現する。 本症例の発熱・頭痛・嘔吐という経過はホルネル症候群の病態とは全く異なる。
✗ 3. 誤り
バレー徴候
バレー徴候は軽度の錐体路障害(上肢の不全麻痺)を検出するための検査である。 両上肢を前方に伸展して保持させると患側が回内・下降する所見であり、脳血管障害等の運動麻痺の評価に用いる。 髄膜刺激症状の評価には用いず、本症例での優先度は低い。
✗ 4. 誤り
ロンベルグ徴候
ロンベルグ徴候は深部感覚(位置覚)障害を評価する検査であり、閉眼で体の動揺が著明に増強する。 脊髄後索障害(脊髄癆など)や末梢神経障害で陽性となるが、髄膜炎の評価には不適切である。 小脳性失調では開眼・閉眼ともに動揺がみられる点で深部感覚障害と区別される。
ポイント
  • 髄膜刺激徴候は項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候の3つをセットで理解する。
  • ケルニッヒ徴候は股関節・膝関節90度屈曲位から膝伸展時の抵抗(痛み)で判定する。
  • ブルジンスキー徴候は頸部を他動的に前屈させると両下肢の股関節・膝関節が自動的に屈曲する所見である。
  • 重要用語: ケルニッヒ徴候, 髄膜刺激症状, 項部硬直, ブルジンスキー徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
徴候 検査法 評価対象
ケルニッヒ徴候 股関節90度屈曲位で膝伸展 髄膜刺激
ブルジンスキー徴候 頸部前屈で股関節・膝関節が屈曲 髄膜刺激
ホルネル徴候 縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹 交感神経障害
バレー徴候 上肢前方挙上で患側が回内・下降 錐体路障害
ロンベルグ徴候 閉眼で動揺増強 深部感覚障害
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題80|「60歳の男性。高血圧にて内服加療中。2日前から38℃の発熱、昨日から嘔吐と頭部全体の痛みがある。意識レベルはJCSでⅠ-1、血圧は178/90mmHgである。」本症例で確認すべき所見はどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題80|「60歳の男性。高血圧にて内服加療中。2日前から38℃の発熱、昨日から嘔吐と頭部全体の痛みがある。意識レベルはJCSでⅠ-1、血圧は178/90mmHgである。」本症例で確認すべき所見はどれか。
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