学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ B. 感染性疾患 / Q1094

理由で解く 臨床医学各論

Q1094 神経疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題79
問題
「60歳の男性。高血圧にて内服加療中。2日前から38℃の発熱、昨日から嘔吐と頭部全体の痛みがある。意識レベルはJCSでⅠ-1、血圧は178/90mmHgである。」最も考えられる疾患はどれか。
選択肢
1 高血圧性脳症
2 髄膜炎
3 群発頭痛
4 小脳出血
解答
正解2(髄膜炎)
解説
✗ 1. 誤り
高血圧性脳症
高血圧性脳症は著明な高血圧(通常拡張期血圧120mmHg以上)に伴う脳浮腫で、頭痛・意識障害・視力障害・痙攣を生じる。 本症例の血圧178/90mmHgでは拡張期血圧が90mmHgであり、高血圧性脳症を起こすほど高くない。 また2日前からの発熱は高血圧性脳症では説明できず、感染性疾患を優先して考えるべきである。
✓ 2. 正しい
髄膜炎
本症例は発熱(38℃)、頭痛(頭部全体の痛み)、嘔吐という髄膜炎の典型的症状を呈している。 髄膜炎の3主徴は頭痛・発熱・項部硬直であり、嘔吐(噴射性嘔吐)も高頻度に伴う。 2日前からの発熱に続く症状経過は感染性疾患を示唆し、確定診断には腰椎穿刺による髄液検査が必要である。
✗ 3. 誤り
群発頭痛
群発頭痛は片側の眼窩周囲・側頭部に限局した激痛が特徴であり、頭部全体の痛みとは異なる。 また群発頭痛は通常発熱を伴わず、流涙・鼻汁・縮瞳・結膜充血などの自律神経症状を随伴する。 群発頭痛は機能性頭痛に分類され、感染性の経過とは病態が根本的に異なる。
✗ 4. 誤り
小脳出血
小脳出血は突然発症の回転性めまい、嘔吐、後頭部痛を呈するが、発症は急性(突発)である。 2日前からの発熱が先行する経過は脳出血よりも感染症を考える。 高血圧は脳出血の危険因子であるが、本症例では発熱先行の亜急性経過から髄膜炎が最も考えやすい。
ポイント
  • 髄膜炎の3主徴は頭痛・発熱・項部硬直であり、嘔吐(噴射性嘔吐)を伴うことも多い。
  • 発熱が先行し頭痛・嘔吐が出現する亜急性経過は感染症(髄膜炎)を強く示唆する。
  • 高血圧性脳症は著明な高血圧(拡張期120mmHg以上)で発症し、発熱は伴わない点で区別できる。
  • 重要用語: 髄膜炎, 3主徴, 頭痛, 発熱, 項部硬直, 腰椎穿刺 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別疾患 発熱 頭痛の部位 発症様式 随伴症状
髄膜炎 あり 全体 亜急性 嘔吐・項部硬直
高血圧性脳症 なし 全体 急性 意識障害・痙攣
群発頭痛 なし 片側眼窩部 反復性 流涙・結膜充血
小脳出血 なし 後頭部 突発 めまい・嘔吐
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題79|「60歳の男性。高血圧にて内服加療中。2日前から38℃の発熱、昨日から嘔吐と頭部全体の痛みがある。意識レベルはJCSでⅠ-1、血圧は178/90mmHgである。」最も考えられる疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題79|「60歳の男性。高血圧にて内服加療中。2日前から38℃の発熱、昨日から嘔吐と頭部全体の痛みがある。意識レベルはJCSでⅠ-1、血圧は178/90mmHgである。」最も考えられる疾患はどれか。
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