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理由で解く 臨床医学各論

Q0653 整形外科疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題78
問題
「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」本症例に特徴的な単純エックス線所見はどれか。
選択肢
1 骨棘形成
2 関節裂隙狭小化
3 骨びらん
4 半月板石灰化
解答
正解4(半月板石灰化)
解説
✗ 1. 誤り
骨棘形成
骨棘形成は変形性関節症の特徴的なX線所見であり、偽痛風に特異的な所見ではない。変形性関節症では関節裂隙の狭小化とともに関節辺縁に棘状の骨新生(osteophyte)がみられる。
✗ 2. 誤り
関節裂隙狭小化
関節裂隙狭小化は変形性関節症や関節リウマチの進行時にみられるX線所見であり、偽痛風に特異的ではない。関節軟骨の摩耗や破壊を反映する所見であり、多くの関節疾患に共通して認められうる。
✗ 3. 誤り
骨びらん
骨びらんは関節リウマチの特徴的なX線所見であり、滑膜のパンヌス増殖による骨破壊を反映する。偽痛風では骨びらんは通常みられず、関節リウマチのX線分類(Steinbrocker分類)の進行度評価に用いられる。
✓ 4. 正しい
半月板石灰化
偽痛風(CPPD沈着症)に特徴的なX線所見は半月板石灰化(軟骨石灰化症:chondrocalcinosis)である。ピロリン酸カルシウム結晶が半月板や関節軟骨に沈着し、X線上で線状の石灰化像として描出される。膝関節の半月板石灰化は偽痛風を強く示唆する所見であり、他の関節疾患との鑑別に極めて有用である。
ポイント
  • 偽痛風の特徴的X線所見=半月板石灰化(軟骨石灰化症:chondrocalcinosis)
  • 骨棘形成・関節裂隙狭小化=変形性関節症、骨びらん=関節リウマチ、パンチアウト像=痛風と区別する
  • 半月板や関節軟骨にCPPD結晶が沈着し、X線上で線状の石灰化として描出される
  • 重要用語: 半月板石灰化, 軟骨石灰化症, chondrocalcinosis, CPPD沈着症 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 特徴的なX線所見
変形性関節症 骨棘形成・関節裂隙狭小化・軟骨下骨硬化・骨嚢胞
関節リウマチ 骨びらん・傍関節性骨粗鬆症・関節裂隙狭小化
偽痛風 半月板石灰化(軟骨石灰化:chondrocalcinosis)
痛風 パンチアウト像(骨打ち抜き像)・軟部組織腫脹
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題78|「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」本症例に特徴的な単純エックス線所見はどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題78|「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」本症例に特徴的な単純エックス線所見はどれか。
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