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理由で解く 臨床医学各論

Q0652 整形外科疾患

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題77
問題
「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」最も可能性の高い疾患はどれか。
選択肢
1 化膿性関節炎
2 関節リウマチ
3 偽痛風
4 変形性膝関節症
解答
正解3(偽痛風)
解説
✗ 1. 誤り
化膿性関節炎
化膿性関節炎でも発熱・関節の熱感・腫脹を呈するが、関節液の偏光顕微鏡では結晶は認められない。化膿性関節炎の診断には関節液の細菌培養(黄色ブドウ球菌が最多)が重要であり、偏光顕微鏡で「異常を認めた」という所見は結晶沈着症を示唆する。
✗ 2. 誤り
関節リウマチ
関節リウマチは多関節に対称性に発症する慢性の自己免疫疾患であり、偏光顕微鏡で結晶は検出されない。単関節の急性発症で偏光顕微鏡異常があることから、関節リウマチの臨床像とは合致しない。
✓ 3. 正しい
偽痛風
高齢女性の急性膝関節炎で、関節液の偏光顕微鏡観察で異常(ピロリン酸カルシウム二水和物結晶=CPPD結晶)が認められることから偽痛風(CPPD沈着症)が最も考えられる。偽痛風は高齢者に好発し、膝関節が最も罹患しやすい。急性発症の単関節炎で発熱を伴い、偏光顕微鏡でのCPPD結晶の同定が確定診断の決め手となる。
✗ 4. 誤り
変形性膝関節症
変形性膝関節症は慢性の退行変性疾患であり、通常38度の発熱を伴わない。偏光顕微鏡で結晶も検出されない。慢性の経過をたどる運動時痛・荷重時痛が主体であり、急性の単関節炎とは臨床像が異なる。
ポイント
  • 高齢者の急性単関節炎+発熱+偏光顕微鏡で結晶陽性→偽痛風を疑う
  • 化膿性関節炎との鑑別が最重要であり、関節液の細菌培養と偏光顕微鏡検査で区別する
  • 偽痛風=CPPD結晶(弱陽性複屈折)、痛風=尿酸ナトリウム結晶(強陰性複屈折)
  • 重要用語: 偽痛風, CPPD結晶, 偏光顕微鏡, 化膿性関節炎との鑑別, 膝蓋跳動 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別疾患 偏光顕微鏡 細菌培養 発症様式 好発年齢
偽痛風 CPPD結晶(+) (−) 急性 高齢者
化膿性関節炎 結晶(−) 細菌(+) 急性 全年齢
関節リウマチ 結晶(−) (−) 慢性 中年女性
変形性関節症 結晶(−) (−) 慢性 高齢者
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題77|「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」最も可能性の高い疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題77|「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」最も可能性の高い疾患はどれか。
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