学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ B. 関節疾患 / Q0651

理由で解く 臨床医学各論

Q0651 整形外科疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題75
問題
「50 歳の男性。肩の痛みで来院。2 日前に左肩から上腕外側の疼痛が出現し、昨日から前腕橈側のしびれを認めた。左肩関節の挙上時痛、関節拘縮はない。」本症例で避けるべき動作はどれか。
選択肢
1 上肢を挙上する。
2 肩甲骨を中央に寄せる。
3 肩甲骨を挙上する。
4 頸椎を後屈する。
解答
正解4(頸椎を後屈する。)
解説
✗ 1. 誤り
上肢を挙上する。
上肢の挙上は肩関節の運動であり、本症例は肩関節疾患ではなく頚椎疾患による神経根症である。上肢挙上が直接神経根圧迫を悪化させることは少なく、むしろ上肢挙上で症状が軽減することもある(肩外転テスト陽性)。
✗ 2. 誤り
肩甲骨を中央に寄せる。
肩甲骨を中央に寄せる動作(肩甲骨内転)は姿勢改善に有効な運動であり、頚椎神経根症で避ける必要はない。むしろ良い姿勢の維持は頚椎への負担軽減に寄与し、リハビリテーションでも推奨される。
✗ 3. 誤り
肩甲骨を挙上する。
肩甲骨の挙上(すくめ動作)は僧帽筋上部線維の運動であり、頚椎への直接的な圧迫増悪因子ではない。頚椎の運動を伴わない肩甲骨単独の動きであるため、特に制限する必要はない。
✓ 4. 正しい
頸椎を後屈する。
本症例は頚椎症性神経根症(C6神経根障害)であり、頸椎を後屈すると椎間孔が狭窄して神経根への圧迫が増悪するため避けるべきである。スパーリングテスト(頸椎後屈+患側への側屈+軸圧)やジャクソンテスト(頸椎後屈+軸圧)は、後屈による症状誘発を利用した理学検査である。日常生活では頸椎の過度な後屈を避け、適度な前屈位を保つことが推奨される。
ポイント
  • 頚椎症性神経根症では頸椎後屈が禁忌動作であり、後屈により椎間孔が狭窄し神経根圧迫が増悪する
  • スパーリングテスト(後屈+側屈+軸圧)・ジャクソンテスト(後屈+軸圧)は後屈を利用した誘発テスト
  • 頚椎疾患と五十肩の鑑別:関節拘縮の有無が重要(五十肩は拘縮あり、頚椎疾患は拘縮なし)
  • 重要用語: 頸椎後屈禁忌, 椎間孔狭窄, スパーリングテスト, ジャクソンテスト を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題75|「50 歳の男性。肩の痛みで来院。2 日前に左肩から上腕外側の疼痛が出現し、昨日から前腕橈側のしびれを認めた。左肩関節の挙上時痛、関節拘縮はない。」本症例で避けるべき動作はどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題75|「50 歳の男性。肩の痛みで来院。2 日前に左肩から上腕外側の疼痛が出現し、昨日から前腕橈側のしびれを認めた。左肩関節の挙上時痛、関節拘縮はない。」本症例で避けるべき動作はどれか。
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