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理由で解く 臨床医学各論

Q0650 整形外科疾患

出典:あマ指 第27回(2019) 問題74
問題
「50 歳の男性。肩の痛みで来院。2 日前に左肩から上腕外側の疼痛が出現し、昨日から前腕橈側のしびれを認めた。左肩関節の挙上時痛、関節拘縮はない。」本症例で障害されている神経根はどれか。
選択肢
1 C2
2 C4
3 C6
4 Th1
解答
正解3(C6)
解説
✗ 1. 誤り
C2
C2神経根は後頭部の感覚を支配しており、肩から前腕にかけての症状とは一致しない。C2障害では後頭部痛や後頭神経痛が出現するが、上肢の症状は生じない。
✗ 2. 誤り
C4
C4神経根は肩上部(鎖骨〜肩峰付近)の感覚を支配するが、前腕橈側のしびれは説明できない。C4障害では肩上部・頸部の疼痛が主体であり、前腕・手指への放散痛は通常みられない。
✓ 3. 正しい
C6
C6神経根のデルマトームは肩から上腕外側、前腕橈側、母指にかけての領域を含む。「左肩から上腕外側の疼痛」と「前腕橈側のしびれ」はC6神経根障害の典型的な症状分布と一致する。また、関節拘縮がないことから肩関節周囲炎(五十肩)ではなく、頚椎疾患(頚椎症性神経根症・頚椎椎間板ヘルニアなど)による神経根障害と考えられる。C6障害では腕橈骨筋反射の低下も特徴的である。
✗ 4. 誤り
Th1
Th1神経根は前腕内側から小指側の感覚を支配しており、前腕橈側のしびれとは一致しない。Th1障害では前腕尺側の症状が出現し、手の内在筋の筋力低下を伴うことがある。
ポイント
  • C6神経根障害=肩〜上腕外側の疼痛+前腕橈側のしびれ+腕橈骨筋反射低下
  • 関節拘縮がなく肩痛がある場合は五十肩ではなく頚椎疾患を疑う。五十肩では早期から関節拘縮を認める
  • 頚椎神経根症の診断には、デルマトーム分布と一致する症状パターンの把握が不可欠
  • 重要用語: C6神経根, デルマトーム, 前腕橈側, 頚椎症性神経根症, 関節拘縮の有無 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経根 デルマトーム(感覚領域) 障害時の主な筋力低下 反射低下
C5 肩外側・上腕外側 三角筋・上腕二頭筋 上腕二頭筋反射
C6 前腕橈側・母指 手関節背屈筋・上腕二頭筋 腕橈骨筋反射
C7 中指 手関節掌屈筋・上腕三頭筋 上腕三頭筋反射
C8 前腕尺側・小指・環指 手指屈筋群
解説画像
あマ指 第27回(2019) 問題74|「50 歳の男性。肩の痛みで来院。2 日前に左肩から上腕外側の疼痛が出現し、昨日から前腕橈側のしびれを認めた。左肩関節の挙上時痛、関節拘縮はない。」本症例で障害されている神経根はどれか。 解説図
あマ指 第27回(2019) 問題74|「50 歳の男性。肩の痛みで来院。2 日前に左肩から上腕外側の疼痛が出現し、昨日から前腕橈側のしびれを認めた。左肩関節の挙上時痛、関節拘縮はない。」本症例で障害されている神経根はどれか。
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