学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1074

理由で解く 臨床医学各論

Q1074 神経疾患

出典:あマ指 第13回(2005) 問題94
問題
発作後に後遺症を残さないのはどれか。
選択肢
1 脳塞栓
2 脳血栓
3 小脳出血
4 一過性脳虚血発作
解答
正解4(一過性脳虚血発作)
解説
✗ 1.
脳塞栓
✗ 正しい。脳塞栓は心房細動などの心疾患により心腔内で形成された血栓が遊離し、脳動脈を急激に閉塞して脳梗塞を起こす疾患であり、後遺症を残すことが多い。突然発症して数分以内に症状が完成し、閉塞血管が太いことが多いため広範な梗塞巣(大梗塞)となりやすい。さらに出血性梗塞に移行するリスクも高く、重篤な後遺症を残す可能性がある。
✗ 2.
脳血栓
✗ 正しい。脳血栓(アテローム血栓性脳梗塞)は脳動脈のアテローム硬化部位に血栓が形成されて血管を閉塞する脳梗塞であり、片麻痺、失語、感覚障害などの後遺症を残すことが多い。安静時・睡眠中に発症しやすく、症状は階段状に進行する特徴がある。慢性期にはリハビリテーションと抗血小板薬(アスピリン)による再発予防が重要である。
✗ 3.
小脳出血
✗ 正しい。小脳出血は脳出血の一型であり、突然の回転性めまい、激しい嘔吐、起立・歩行困難(体幹失調)が主症状である。運動失調や歩行障害などの後遺症を残すことがあり、また小脳腫脹による脳幹圧迫が進行すれば生命の危険に至ることもある。外科的減圧術(血腫除去術)が行われることが多い。
✓ 4. 誤り
一過性脳虚血発作
一過性脳虚血発作(TIA: Transient Ischemic Attack)は脳血管の一時的な虚血により局所神経症状が出現するが、定義上24時間未満(実際には多くが5分以内に極期に達し、2〜15分で消失)で完全に回復し、後遺症を残さない。症状としては一過性の片麻痺、感覚障害、失語、一過性黒内障などがみられる。ただしTIAは脳梗塞(特に脳血栓症)の重要な警告サインであり、TIA発症後30%以上が脳梗塞に移行するため、早期に抗血小板薬による治療介入が必要である。
ポイント
  • TIAは24時間以内に完全回復し後遺症を残さないが、脳梗塞の重要な前兆(警告サイン)として早期治療が必要である
  • TIA発症後の脳梗塞への移行率は30%以上であり、特に発症後1ヵ月以内のリスクが高い
  • 脳塞栓・脳血栓・脳出血はいずれも脳組織の不可逆的な障害を生じ後遺症を残しうるが、TIAは一過性の虚血で脳組織の壊死に至らないため後遺症を残さない
  • TIAの成因は微小塞栓によるものが多く、治療には抗血小板薬(アスピリン)が用いられる
  • 重要用語: 一過性脳虚血発作(TIA)、24時間以内の完全回復、脳梗塞の前兆、抗血小板薬 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 後遺症 発症様式 予後
一過性脳虚血発作(TIA) 残さない(24時間以内に回復) 急性(5分以内に極期) 脳梗塞の前兆として要注意
脳塞栓 残しやすい(大梗塞が多い) 突発性(数分以内に完成) 出血性梗塞に移行するリスク
脳血栓 残すことがある 段階的進行 TIAが先行することあり
脳出血 残すことがある 急性発症 出血量・部位により予後異なる
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題94|発作後に後遺症を残さないのはどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題94|発作後に後遺症を残さないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手