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理由で解く 臨床医学各論

Q1030 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第32回(2024) 問題56
問題
白血病について最も適切なのはどれか。
選択肢
1 成人T細胞白血病はウイルス感染が原因である。
2 慢性骨髄性白血病では遺伝子変異が認められない。
3 急性骨髄性白血病ではフィラデルフィア染色体が陽性となる。
4 急性骨髄性白血病の治療は骨髄移植が第一選択である。
解答
正解1(成人T細胞白血病はウイルス感染が原因である)
解説
✓ 1. 正しい
成人T細胞白血病はウイルス感染が原因である。
成人T細胞白血病(ATL)はHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)の感染が原因である。母乳感染や性行為感染により伝播し、感染後数十年の潜伏期間を経てキャリアの約5%が発症する。日本の九州・沖縄地方に多く、高カルシウム血症を伴うことが特徴である。
✗ 2. 誤り
慢性骨髄性白血病では遺伝子変異が認められない。
慢性骨髄性白血病(CML)ではフィラデルフィア染色体(Ph染色体)というt(9;22)転座による特徴的な遺伝子変異が95%以上の症例で認められる。BCR-ABL融合遺伝子が形成され、これが白血病の原因となるため、「遺伝子変異が認められない」は明らかな誤りである。
✗ 3. 誤り
急性骨髄性白血病ではフィラデルフィア染色体が陽性となる。
フィラデルフィア染色体が陽性となるのは慢性骨髄性白血病(CML)であり、急性骨髄性白血病(AML)ではない。一部の急性リンパ性白血病(ALL)でもPh陽性となることがあるが、AMLの特徴ではない。
✗ 4. 誤り
急性骨髄性白血病の治療は骨髄移植が第一選択である。
急性骨髄性白血病の治療は抗癌薬による化学療法が第一選択であり、同種造血幹細胞移植(骨髄移植)は化学療法で寛解導入後の地固め療法として行われる場合がある。初回治療は化学療法である。
ポイント
  • 成人T細胞白血病(ATL)は唯一のウイルス関連白血病であり、HTLV-1が原因で、日本の西南地方に多い。
  • フィラデルフィア染色体はCMLに特徴的であり、AMLの特徴ではない。CMLとAMLを混同しない。
  • 急性白血病の第一選択治療は抗癌薬による化学療法であり、骨髄移植は第二選択である。
  • 重要用語: HTLV-1、フィラデルフィア染色体、CML、化学療法 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題56|白血病について最も適切なのはどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題56|白血病について最も適切なのはどれか。
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