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理由で解く 臨床医学各論

Q1029 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第30回(2022) 問題57
問題
急性骨髄性白血病について正しいのはどれか。
選択肢
1 末梢血で白血球裂孔がみられる。
2 中枢神経障害がみられる。
3 小児に多い。
4 血液凝固系は保たれる。
解答
正解1(末梢血で白血球裂孔がみられる)
解説
✓ 1. 正しい
末梢血で白血球裂孔がみられる。
急性骨髄性白血病(AML)では末梢血で白血球裂孔(白血病裂孔)がみられる。白血球裂孔とは末梢血中に芽球(幼若細胞)と成熟白血球のみが存在し、中間段階の細胞(前骨髄球、骨髄球など)が欠如する現象である。これは急性白血病に特徴的な所見であり、慢性白血病では各段階の細胞が連続的に出現する。
✗ 2. 誤り
中枢神経障害がみられる。
中枢神経浸潤(髄膜白血病)は急性リンパ性白血病(ALL)でより多くみられる合併症であり、急性骨髄性白血病(AML)では比較的まれである。ALLでは中枢神経系への予防的髄注療法(メトトレキサートなど)が重要である。
✗ 3. 誤り
小児に多い。
小児に多いのは急性リンパ性白血病(ALL)であり、急性骨髄性白血病(AML)は成人に多い。AMLは成人の急性白血病の約80%を占める。ALLは小児急性白血病の約70%を占める。
✗ 4. 誤り
血液凝固系は保たれる。
急性骨髄性白血病、特にM3型(急性前骨髄球性白血病、APL)ではDIC(播種性血管内凝固)を合併しやすく、血液凝固系は著しく障害される。APLでは前骨髄球の顆粒から組織因子が放出され、凝固が活性化される。
ポイント
  • 白血球裂孔は急性白血病の特徴的な血液像所見であり、慢性白血病との鑑別に重要である。
  • AMLは成人に多く、ALLは小児に多い。中枢神経浸潤はALLに多い。
  • AML-M3(APL)はDIC合併が多く、特殊な治療(ATRA:全トランスレチノイン酸)が用いられる。
  • 重要用語: 白血球裂孔、芽球、DIC、AML、ALL を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 AML(急性骨髄性白血病) ALL(急性リンパ性白血病)
好発年齢 成人に多い 小児に多い
ペルオキシダーゼ反応 陽性 陰性
中枢神経浸潤 まれ 比較的多い
特徴的所見 白血球裂孔、Auer小体 リンパ球表面マーカー陽性
解説画像
鍼灸 第30回(2022) 問題57|急性骨髄性白血病について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第30回(2022) 問題57|急性骨髄性白血病について正しいのはどれか。
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