学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q1017

理由で解く 臨床医学各論

Q1017 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第32回(2024) 問題80
問題
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「70歳の男性。胃全摘手術後3年。労作時息切れを訴えるようになった。眼瞼結膜は蒼白である。出血傾向、黄疸、浮腫はない。鉄剤は投与されている。」適切な治療はどれか。
選択肢
1 ビタミンC経口投与
2 ビタミンB12筋肉注射
3 濃厚赤血球輸血
4 副腎皮質ステロイド経口投与
解答
正解2(ビタミンB12筋肉注射)
解説
✗ 1. 誤り
ビタミンC経口投与
ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を促進する働きがあるが、ビタミンB12欠乏性貧血の治療にはならない。ビタミンC欠乏は壊血病の原因であり、貧血の原因ではない。
✓ 2. 正しい
ビタミンB12筋肉注射
胃全摘後のビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血にはビタミンB12(シアノコバラミン)の筋肉注射が適切な治療である。胃全摘により内因子が分泌されないため、経口投与ではビタミンB12が吸収されない。筋肉注射により直接血中に補充する必要があり、生涯にわたる定期的な補充が必要である。
✗ 3. 誤り
濃厚赤血球輸血
濃厚赤血球輸血は重症貧血(Hb<7g/dLなど)の緊急対応として用いるが、ビタミンB12欠乏の根本的治療ではない。ビタミンB12の補充により貧血は改善する。
✗ 4. 誤り
副腎皮質ステロイド経口投与
副腎皮質ステロイドは自己免疫性溶血性貧血や特発性血小板減少性紫斑病などの自己免疫性疾患の治療に用いるが、ビタミンB12欠乏性貧血の治療ではない。
ポイント
  • 胃全摘後は内因子が欠乏するため、ビタミンB12の経口投与は無効であり、筋肉注射が必須である。
  • ビタミンB12の補充は生涯にわたり必要であり、定期的な投与が重要である。
  • 葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血の場合は葉酸の経口投与が可能である(ビタミンB12欠乏と治療法が異なる)。
  • 重要用語: ビタミンB12筋肉注射、内因子、経口投与無効 を正確に理解しておくこと。
比較表
貧血の種類 治療法 投与経路
鉄欠乏性貧血 鉄剤 経口(内服不能時は静注)
VitB12欠乏性巨赤芽球性貧血 ビタミンB12 筋肉注射(経口無効)
葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血 葉酸 経口または注射
自己免疫性溶血性貧血 副腎皮質ステロイド 経口
再生不良性貧血 免疫抑制療法・造血幹細胞移植 各種
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題80|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「70歳の男性。胃全摘手術後3年。労作時息切れを訴えるようになった。眼瞼結膜は蒼白である。出血傾向、黄疸、浮腫はない。鉄剤は投与されている。」適切な治療はどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題80|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「70歳の男性。胃全摘手術後3年。労作時息切れを訴えるようになった。眼瞼結膜は蒼白である。出血傾向、黄疸、浮腫はない。鉄剤は投与されている。」適切な治療はどれか。
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