学習トップ理由で解く 臨床医学各論第1章 ▸ C. ウイルス感染症 / Q0049

理由で解く 臨床医学各論

Q0049 感染症

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題49
問題
介護保険施設でノロウイルス感染症が発生した。感染を拡大させないための対応として適切なのはどれか。
選択肢
1 感染者の居室は次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。
2 感染者の吐物は乾燥してから処理する。
3 感染者が使用したリネンは60℃の加熱処理を行う。
4 感染者が使用した食器はアルコールで消毒する。
解答
正解1(感染者の居室は次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。)
解説
✓ 1. 正しい
感染者の居室は次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。
ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムが有効である。ノロウイルスはエンベロープを持たないウイルスであるため、アルコール消毒が効きにくい。感染者の居室の床・トイレ・ドアノブなどを次亜塩素酸ナトリウム(200ppm=0.02%程度)で清拭することが適切な対応である。嘔吐物で汚染された場所は1000ppm(0.1%)で消毒する。
✗ 2. 誤り
感染者の吐物は乾燥してから処理する。
吐物を乾燥させるとウイルスが空気中に浮遊(エアロゾル化)し、二次感染のリスクが著しく高まる。吐物は速やかに次亜塩素酸ナトリウムで消毒しながら処理し、使い捨て手袋・マスク・エプロンを着用して対応する。
✗ 3. 誤り
感染者が使用したリネンは60℃の加熱処理を行う。
ノロウイルスの失活には85度以上で1分以上の加熱が必要であり、60度では不十分である。リネンは熱水洗浄(85度1分以上)または次亜塩素酸ナトリウム浸漬(0.02%)で処理する。
✗ 4. 誤り
感染者が使用した食器はアルコールで消毒する。
ノロウイルスはエンベロープを持たないウイルスであり、アルコール消毒に対して抵抗性がある。食器の消毒には次亜塩素酸ナトリウム浸漬または熱水消毒(85度1分以上)が必要である。
ポイント
  • ノロウイルス対策の最重要ポイントは「次亜塩素酸ナトリウムが有効」「アルコールは無効」という点である。エンベロープの有無が消毒薬の効果に関係する。
  • 嘔吐物は乾燥させずに速やかに処理すること。乾燥するとエアロゾル化して二次感染リスクが高まる。
  • 加熱消毒は85度1分以上が必要であり、60度では不十分である。食器・リネンの消毒温度を正確に覚えること。
  • 重要用語: 次亜塩素酸ナトリウム, エンベロープ, アルコール抵抗性, 85度1分以上 を正確に理解しておくこと。
比較表
消毒法 ノロウイルスへの効果 備考
次亜塩素酸ナトリウム 有効 嘔吐物は0.1%、環境は0.02%
アルコール 無効 エンベロープなしのため
加熱(85度1分以上) 有効 60度では不十分
流水手洗い 有効(物理的除去) 最も基本的な対策
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題49|介護保険施設でノロウイルス感染症が発生した。感染を拡大させないための対応として適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題49|介護保険施設でノロウイルス感染症が発生した。感染を拡大させないための対応として適切なのはどれか。
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