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理由で解く 臨床医学各論

Q1018 血液・造血器疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題56
問題
鉄欠乏性貧血について正しいのはどれか。
選択肢
1 大球性貧血である。
2 正色素性貧血である。
3 総鉄結合能は低下する。
4 鉄剤投与によって網状赤血球は増加する。
解答
正解4(鉄剤投与によって網状赤血球は増加する)
解説
✗ 1. 誤り
大球性貧血である。
鉄欠乏性貧血は小球性低色素性貧血であり、大球性貧血ではない。鉄不足によりヘモグロビン合成が障害され、MCV↓となる。大球性貧血(MCV↑)はビタミンB12欠乏や葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血でみられる。
✗ 2. 誤り
正色素性貧血である。
鉄欠乏性貧血は低色素性貧血であり、正色素性貧血ではない。ヘモグロビン合成障害により赤血球のヘモグロビン含量が減少し、MCH↓、MCHC↓となる。正色素性貧血は溶血性貧血や再生不良性貧血でみられる。
✗ 3. 誤り
総鉄結合能は低下する。
鉄欠乏性貧血では総鉄結合能(TIBC)は上昇する(低下ではない)。血清鉄が減少する一方で、鉄不足を補おうとして鉄運搬蛋白のトランスフェリンが代償性に増加するため、TIBCは上昇する。
✓ 4. 正しい
鉄剤投与によって網状赤血球は増加する。
鉄欠乏性貧血に鉄剤を投与すると、骨髄での赤血球産生が回復し、網状赤血球(網赤血球、幼若赤血球)が増加する。投与開始後3〜5日で増加し始め、7〜10日でピークとなる。治療効果の早期指標として重要である。
ポイント
  • 鉄剤投与後の網赤血球増加は、骨髄での赤血球産生が回復した証拠であり、治療効果の最も早期の指標である。
  • 鉄欠乏性貧血の検査所見:MCV↓、MCH↓、MCHC↓、血清鉄↓、フェリチン↓、TIBC↑、UIBC↑である。
  • 網赤血球は投与開始後3〜5日で増加し始め、7〜10日でピークとなる。ヘモグロビンの回復には数週間〜数か月を要する。
  • 重要用語: 網赤血球、鉄剤投与、TIBC を正確に理解しておくこと。
比較表
鉄欠乏性貧血の検査項目 変動 意義
MCV 小球性(赤血球の小型化)
MCH・MCHC 低色素性(Hb含量低下)
血清鉄 血中鉄の減少
フェリチン 貯蔵鉄の枯渇(最も早期に低下)
TIBC トランスフェリン代償性増加
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題56|鉄欠乏性貧血について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題56|鉄欠乏性貧血について正しいのはどれか。
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