学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ A. 感染性呼吸器疾患 / Q0281

理由で解く 臨床医学各論

Q0281 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題55
問題
肺結核について正しいのはどれか。
選択肢
1 空気感染する。
2 治療薬は単剤を用いる。
3 感染すると半数が発病する。
4 我が国の2021年の新規発症患者数は1,000人以下である。
解答
正解1(空気感染する)
解説
✓ 1. 正しい
空気感染する。
肺結核は空気感染(飛沫核感染)する。患者の喀痰中に含まれた結核菌が咳とともに喀出され、空中で乾燥して数μmの粒子(飛沫核)となり、空中を約30分間漂う。この飛沫核を吸入することで感染が成立する。
✗ 2. 誤り
治療薬は単剤を用いる。
肺結核の治療は多剤併用療法が原則である。標準治療はINH(イソニアジド)・RFP(リファンピシン)・EB(エタンブトール)・PZA(ピラジナミド)の4剤を2ヵ月間投与後、INH・RFPを4ヵ月間投与する計6ヵ月の治療法である。単剤治療は耐性菌出現のリスクがあり行わない。
✗ 3. 誤り
感染すると半数が発病する。
結核に感染しても発病する頻度は低い。初感染後そのまま発病する(一次結核症)頻度は約5%であり、残りの約90%は無症状のまま一生を終える。さらに潜伏感染者の約5%が一生涯の間に発病する(二次結核症)。半数が発病するという記述は誤りである。
✗ 4. 誤り
我が国の2021年の新規発症患者数は1,000人以下である。
わが国では年間1万人を超える新規結核患者が発生しており(近年のデータ)、1,000人以下という数値は大幅に過小である。日本は先進国の中でも患者数が多い中蔓延国である。
ポイント
  • 肺結核は空気感染(飛沫核感染)する重要な感染症であり、数μmの粒子が空中を約30分間漂い、それを吸入して感染が成立する。
  • 感染後1〜2ヵ月でツベルクリン反応が陽性化するが、感染者の約90%は発病しないまま一生を終える。
  • 治療はINH・RFP・EB・PZAの4剤併用が標準であり、薬剤感受性菌の場合は治療終了後の再発率は2〜5%程度である。
  • 重要用語: 空気感染, 飛沫核感染, 多剤併用療法, 発病率約10% を正確に理解しておくこと。
比較表
感染経路 特徴 代表疾患
空気感染 飛沫核(5μm以下)が空中に浮遊 結核、麻疹、水痘
飛沫感染 飛沫(5μm以上)が1m程度飛散 インフルエンザ、肺炎
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題55|肺結核について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題55|肺結核について正しいのはどれか。
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